今回は「修正仕訳」についてです。
1.修正仕訳の概要
仕訳を切った際に、金額や科目を間違ってしまったということはよくあります。
また、仕訳を切ること自体を忘れていたということもあります。
仕訳の間違いのことを「誤記帳」、仕訳を忘れていたことを「記帳漏れ」といいます。
誤記帳と記帳漏れの処理は次のように行います。
・誤記帳
誤った仕訳は修正しなければなりませんので、これを直す処理をします。
誤記帳を直す仕訳のことを、「修正仕訳」と呼びます。
・記帳漏れ
仕訳をするのを忘れていたということは、当然ですが仕訳をしなければなりません。
元々仕訳をしていな状態ですから、その仕訳をしてあげればおしまいです。
「記帳漏れ=普通に仕訳する」
ということですね。
例)
A商店はB商店から商品1,000を仕入れ、代金は現金で払ったが、処理を失念していた。
(仕入)1,000 (現金)1,000
失念していたのであれば、気付いた時にその仕訳をしなければなりません。
よって、そのまま普通に仕訳すればOKです。
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
・誤記帳 → 修正仕訳
・記帳漏れ → そのまま仕訳
^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
2.修正仕訳の極意
誤記帳の場合、仕訳をしたけど間違っていましたという状況です。
この場合は修正仕訳を行う訳ですが、修正仕訳の手順は次の通りです。
(1)誤った仕訳をする
(2)誤った仕訳の逆仕訳(※)をする
(3)正しい仕訳をする
(4)上記(2)と(3)の仕訳を合算
(5)検算する
※逆仕訳=元の仕訳と貸借逆にする仕訳。反対仕訳とも言います。
この手順があれば修正仕訳は完璧です。
苦手な方が多い項目ですが、この手順に従えば間違えることはありません!
例1)
売掛金1,000が当座預金に入金されたが、誤って現金入金として処理した。
(当座預金)1,000 (現金)1,000
(1)誤った仕訳
(現金)1,000 (売掛金)1,000
(2)誤った仕訳の逆仕訳
(売掛金)1,000 (現金)1,000
(3)正しい仕訳
(当座預金)1,000 (売掛金)1,000
(4)上記(2)と(3)の仕訳を合算
(売掛金)1,000 (現金)1,000
(当座預金)1,000 (売掛金)1,000
※かぶっている項目:(売掛金)1,000
↓
(当座預金)1,000 (現金)1,000 → 解答
(5)検算
誤った仕訳+訂正仕訳=正しい仕訳 となればOKです。
(現金)1,000 (売掛金)1,000
(当座預金)1,000 (現金)1,000
↓
(当座預金)1,000 (売掛金)1,000
上記(3)の正しい仕訳と一致していることを確認して下さい。
例2)
A商店はB商店から商品3,500を仕入れ代金は掛けとしたが、貸借逆に仕訳していた。
(仕入)7,000 (買掛金)7,000
(1)誤った仕訳
(買掛金)3,500 (仕入)3,500
(2)誤った仕訳の逆仕訳
(仕入)3,500 (買掛金)3,500
(3)正しい仕訳
(仕入)3,500 (買掛金)3,500
(4)上記(2)と(3)の仕訳を合算
(仕入)3,500 (買掛金)3,500
(仕入)3,500 (買掛金)3,500
↓
(仕入)7,000 (買掛金)7,000 → 解答
(5)検算
誤った仕訳+訂正仕訳=正しい仕訳 となればOKです。
(買掛金)3,500 (仕入)3,500
(仕入)7,000 (買掛金)7,000
↓
(仕入)3,500 (買掛金)3,500
上記(3)の正しい仕訳と一致していることを確認して下さい。
また、「貸借逆に切ってしまった」という問題の場合、次のように解くこともできます。
・正しい仕訳×2
貸借逆の場合、逆仕訳は正しい仕訳になります。
これに正しい仕訳を加えると答えになる訳ですから、正しい仕訳×2が答えになりますね。
上記例ですと、
(仕入)3,500 (買掛金)3,500 ×2 =(仕入)7,000 (買掛金)7,000
となります。
簡単ですね。
ただし、慣れるまでは原則通り解くことをお勧めします!
3.おわりに
今回は「修正仕訳」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
苦手な方が多い論点ですが、基本に忠実に解けば必ず解けます。
まずは、解き方をマスターして下さいね。