1.掛取引の極意
掛取引を簡単に言いますと、「後で払うよ」という取引です。
昔風で言いますと「ツケ」ですね。
一般の商取引では、掛取引は頻繁に発生しますので、しっかりと処理を覚えましょう。
ただし、処理と言いましても簡単です。
「代金は掛けとした」
「代金は月末に支払うこととした」
などとあれば、仕入れた側なら「買掛金」、売った側なら「売掛金」とするだけです。
例)
A商店は商品100を仕入れ、代金は掛けとした。
なお、運送費用10はA商店負担とし、代金は月末に支払うこととした。
(仕入)110 (買掛金)110
付随費用は仕入れに乗っけるんでしたね。
100+10=110が仕入の金額となります。
また、付随費用の未払は問題分に指示がない限り、買掛金で処理してOKです。
例2)
B商店は商品100を販売し、代金は掛けとした。
また、運送費用10(相手先負担)を現金で支払った。
(1)売掛金と分ける方法
(売掛金)100 (売上)100
(立替金) 10
(2)売掛金に含める方法
(売掛金)110 (売上)110
商品を販売した場合に付随費用とかがあった場合には、
問題分の指示によって掛に乗せるか否かを決めましょう。
ただし、何の指示もない場合には(1)の方法にして下さい。
運送費用はあくまで相手先負担のものを立て替えているだけです。
そうしますと、当然「立替金」になります。
問題分で「売掛金に含めること」とない限りは、立替金として処理しましょう。
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・ポイント
「代金は掛けとした」=買掛金or売掛金
立て替えた付随費用は「立替金」が原則
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2.売掛金・買掛金と未収金・未払金の違い
さて、ちょっと話は変わりますが、未収金・未払金というものがあります。
未収金は「将来お金をもらえる」ことで、未払金は「将来お金を払う」ことです。
これって、売掛金・買掛金と同じですよね。
さて、これらの差ってなんでしょう?
結構知らない方が多い論点です。
そして、とても大事なことです。
覚えて下さい。
この差は、
主たる営業取引の未収・未払か否か
です。
商品売買を主たる営業としているのであれば、
・商品売買で未収だったら売掛金、未払いだったら買掛金。
・商品売買以外で未収だったら未収金、未払いだったら未払金
となります。
簿記では、主たる営業取引とそれ以外の取引を厳密に区別しています。
商品を仕入れたら、本来は資産です。
しかし、商品売買を主たる営業取引としていれば
「仕入」と処理することが可能になります。
この例外は、他にはありません。
ちょっと難しい話になってしまいましたが、
簡単に言うと、
・商品売買で未収だったら売掛金、未払いだったら買掛金。
・商品売買以外で未収だったら未収金、未払いだったら未払金
です。
忘れないようにしておいて下さい!