こんにちは、KENです。
今回は「有価証券2」についてです。
1.売買目的有価証券の概要
有価証券は、その保有目的によって勘定科目が変わります。
そのうち、日商3級で学習する有価証券は「売買目的有価証券」です。
これは、
短期的な価格変動により利益を得ることを目的とするもの
になります。
100円で買って110円で売って10円儲かるといった感じです。
売買目的有価証券以外の保有目的の場合、通常は長期間保有します。
したがって、有価証券を売却することはあまりありません。
しかし、売買目的有価証券の場合には、売買をすることが最初から
目的ですので、頻繁に売買を行うことになります。
その結果、日商3級では売買目的有価証券の売却が多々出てくることとなります。
とりあえず、
「3級で学習する有価証券(売買目的有価証券)は、しょっちゅう売買をする」
ということを頭に入れておいて下さい。
なお、この売買目的有価証券は、実務上ではほとんど出てきません。
売買目的で有価証券を買う会社は、証券会社くらいですから。
ですので、あまり使わない項目になりますが、試験対策だと割り切って頂ければ幸いです。
なお、参考までに、他の保有目的を紹介します。
(1)子会社株式又は関係会社株式
主として別会社の支配を目的とするものです。
(2)満期保有目的有価証券
満期までの、利息の受け取りを目的とするものです。
(3)その他有価証券
上記以外の目的で保有するものです。
基本的には、取引先の株式などが多いです。
2.株式の売却
上記1でお話ししましたように、売買目的有価証券は頻繁に売買がされます。
試験上もしょっちゅう売買が行われますので、ぜひ売却の論点は押さえて下さい。
ただし、真新しい論点はありません。
基本は、次の通りです。
~~~有価証券の売却~~~~~~~~~~~~
売却時の簿価と売値との差額>0 → 売却益
〃 <0 → 売却損
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ということで、固定資産の売却と何ら変わりはありません。
有価証券を売却して、儲かれば売却益、損したら売却損です。
ただし、有価証券の場合には「一部売却」がよくあります。
一部売却とは、100株買って、そのうちの30株を売るといったように、
持っている有価証券の全てを売却するのではなく、一部を売却するケースのことです。
この場合、次の算式により簿価を算定します。
1株(1口)当たりの簿価×売却した株数(口数)
もちろん、1株当たりの簿価は購入時の付随費用を加味した金額です。
具体例とともに確認しましょう。
例1)
A商店は、F社株式80株を1株当たり300で購入し、手数料2,400と共に代金は現金で支払った。
(売買目的有価証券)26,400 (現金)26,400
例2)
A商店は、上記例1の株式20株を1株当たり320で売却し、代金は月末に受け取ることとした。
(未 収 金) 6,400 (売買目的有価証券)6,600
(有価証券売却損)200
~解き方~
①@320×20株=6,400 → 売却代金(未収金)
②26,400÷80株=330 → 1株当たり簿価
③@330×20株=6,600 → 売却した株式の簿価
④6,400-6,600=△200 → 有価証券売却損
1株当たりの簿価は、「総額÷持株数」で算定します。
26,400が総額で、80株持っている訳ですから、330が1株当たり簿価になります。
ここまで出ましたら、次に、「簿価×(売った)株数」で売却簿価を出します。
あとは、売値と簿価の差額で売却損益を計算すればOKです。
なお、もう少し簡単に解くならば、次の算式が使えます。
売却簿価=26,400×20/80(25%)=6,600
つまり、80持っていた株式を20売る訳ですから、20/80(=25%)の売却です。
これに簿価である26,400を乗じてあげれば、売却簿価を算定することができます。
慣れてきたらこの方法で解くことをお勧めします。
もちろん、慣れるまでは原則通りゆっくり解いて頂いてOKです。
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・ポイント
売値>簿価 → 売却益
売値<簿価 → 売却損
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3.おわりに
今回は「有価証券2」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
有価証券の売却では、どの数字をどう使っていいかわからないという方が多くいます。
まずは全体像を理解して、そこから取り組むようにしてみて下さい。