会計期間が終了する日(1月1日から12月31日が会計期間であれば、12月31日)には、
その会計期間中の取引をまとめて報告書を作らなければなりません。
この報告書を作る作業を「決算」といい、会計期間が終了する日のことを「決算日」と呼びます。
よくある、「決算大セール!」なんかは、決算直前にその会計期間の売上と
利益を少しでも多く上げようということでやっているセールなんですね。
決算では、次の報告書を作成します。
・貸借対照表
・損益計算書
・その他(→3級では学習範囲外)
ここからは、5大要素がわかっていないと全然わからなくなってしまいますので、
ちょっと不安な方は5大要素を確認してから読むようにして下さい。
それでは、1つずつ見ていきましょう。
①貸借対照表(Balance Sheet)
資産・負債・資本を表示する報告書で、決算日の財政状態を表すものです。
貸借対照表は英文表記を略して「B/S(ビーエス)」と呼ばれるため、
このブログでも今後はB/Sと表記していきます。
B/Sは決算日時点で、
「どの位の資産・負債があるの?そして、差額の資本はいくらなの?」
ということを表します。
そして、借方(資産)は「財産の運用形態」を表し、
貸方(負債・資本)は「財産の調達源泉(どこからお金を調達したか?)」を表しています。
なお、負債のことを「他人資本(他人から調達)」、資本のことを「自己資本(自分で調達)」と呼んだりもします。
また、B/Sの借方合計金額と貸方合計金額は一致します(貸借一致の原則)。
したがいまして、B/Sでは次の算式が成立します。
・資産=負債+資本
B/Sを作成した場合には、貸借が一致しているかどうかを常に確認しましょう。
例)A社の決算日における財政状態は次の通りです。B/Sを作成しなさい。
現金100円、借入金(負債)60円、買掛金(負債)10円
②損益計算書(Profit and Loss statement)
収益から費用を差し引いた金額を利益(又は損失)として表示する報告書で、
一定期間(会計期間)の経営成績を表すものです。
損益計算書は英文表記を略して「P/L(ピーエル)」と呼ばれるため、
このブログでも今後はP/Lと表記していきます。
P/Lで計上される収益と費用との差額は、
「利益(又は損失)」として、B/Sに計上されることとなります。
言い換えますと、P/Lはあくまで、「B/Sに計上する利益はいくらか?」
を計算するシートということになります。
ここはちょっとわかりにくいかと思われますので、もう少し深く突っ込みましょう。
まず、収益と費用の定義を思い出して下さい。
・収益
お金が増えた原因であり、資本の増加要因を指します。
・費用
お金が減った原因であり、資本の減少要因を指します。
つまり、収益・費用というものは「資本の増減要因」になる訳です。
そして、通常、収益・費用は会計期間中に幾度も幾度も発生します。
その度に資本の増加又は減少として仕訳をするとわかり辛いため、
「資本の増加→収益」、「資本の減少→費用」
と言い換えることによって見やすくしているのです。
そして、最後に収益と費用を差し引いて「資本の増減はいくらか?」を計上します。
この時に、資本が増加したら「利益」、資本が減少したら「損失」として表示することとされています。
したがって、利益(又は損失)というものは、5大要素には該当しません。
ただ単に、収益と費用の差額を別の言葉で表しただけだと思って下さい。