仮勘定の記事一覧

資本金を引きだすと資本金の減少?

今回は「資本金・引出金」についてです。

1.資本金の極意

資本金とは会社を始めるための「元手」のことです。
元手がないと商売は始められませんからね。

もちろん、借金をして商売をすることもありますが、これは元手には入れません。
「自分のお金」を商売に使った場合に、資本金勘定を使用します。

例)
A商店は100,000を当座預金に元入れして事業を開始した

(当座預金)100,000 (資本金)100,000

この「元入れ」という言葉が出てきましたら、貸方は資本金でOKです。
基本的に、元入れは1回しかしませんので、試験上もほとんど出てきません。
とりあえず、「元入れ=資本金」と覚えておきましょう。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
・ポイント

元入れ=資本金勘定(資本)

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

2.引出金の極意

個人商店などの小さなお店では、店主が私用でお店のお金を使ったりすることがあります。

この場合、本来であれば資本金のマイナスとして処理すべきです。
元入れした金額を少し返してもらうというイメージです。

しかし、資本金は原則として増減させないのがルールです。
店主が私用で会社のお金を使ったり、使ったお金を戻したりした場合に
いちいち資本金勘定を増減させるのは都合が良くありません。

そこで、店主が会社のお金を私用で使ったり、使ったお金を戻した場合には、

「引出金(ひきだしきん)勘定(仮勘定)」

を使用して資本金勘定を増減させないようにします。
引出金勘定は資産・負債・資本のいずれにも該当しませんので、
これは仮勘定ということになります。

「使ったお金はどうせすぐに返すでしょ」という意味合いです。

例)
店主は私用で使う交通費のために、当座預金から1,000を引き出した。

(引出金)1,000 (当座預金)1,000

ポイントは「私用」です。
交通費のために・・・とあるのはダミー資料です。
私用で使ったものを会社の交通費にする訳にはいけません。

会社のお金と個人のお金はきちんと使い分けなければいけないのです。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
・ポイント

店主が私用で使ったお金=引出金勘定(仮勘定)

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

3.おわりに

今回は「資本金・引出金」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
どちらも実務上はあまり出てこない項目ですが、「引出金」については結構試験で出ます。

かくいう私も、3級を受験した時に出ました。そして間違えました。。。
あまり使わないので忘れてしまいがちですが、試験前くらいには見直して下さいね。

 

2013年06月10日(月)|仮勘定, 日商3級の内容及び解説

現金が足りない場合や多すぎる場合は現金過不足勘定

1.現金過不足の概要

帳簿の現金残高と実際の金庫に入っている現金残高。
これが一致すれば問題ありませんが、一致しないケースもあります。
これを簿記では

「現金過不足」

と呼びます。
現金過不足が発生した場合、これを調整する措置を取らなければなりません。

2.現金過不足の極意

現金過不足が発生した場合には、

「帳簿に合わせる」
「金庫に合わせる」

のいずれかの措置を取らないといけません。
では、どちらに合わせればいいでしょうか。

答えは、

金庫に合わせる

これです。
実際に目の前にあるお金こそ、本当の残高ですよね。
ですから、帳簿がいくらであろうと、金庫に合わせる措置を取らなければなりません。

そして、金庫に合わせる場合には、
現金勘定を増減させる
ことになります。

そうするとことで、「帳簿=金庫」になりますね。
しかし、現金を増減させてその相手勘定はどうしましょうか。

例えば、帳簿が金庫より500多ければ、

(現金)500  (???)???

となり、これでは貸借が一致しません。
さて、どうしましょう。

ここで登場するのが、「現金過不足勘定(仮勘定)」です。
現金過不足勘定は、資産でも負債でも資本でも収益でも費用でもありません。

あくまで「仮」勘定になります。
貸借を一致させるための「とりあえず」の勘定科目ですね。

先ほどの仕訳では、

(現金)500  (現金過不足)500

となります。

解き方のポイントは、

(1)現金を増減させて金庫に合わせる
(2)相手勘定科目に「現金過不足勘定」と(1)の金額を入れる

これだけです。
まず、金庫に合わせて、そして空白の勘定に現金過不足勘定を入れればOKです。

例題1)「帳簿<金庫」のケース

現金の帳簿残高は1,000だが、金庫にある現金残高は1,200だった。

(現金)200  (現金過不足)200

最初に借方現金200を仕訳して、次に空白の貸方に現金過不足200を入れて終了。

例題2(「帳簿>金庫」のケース

現金の帳簿残高は1,000だが、金庫にある現金残高は700だった。

(現金過不足)300  (現金)300 

最初に貸方現金300を仕訳して、次に空白の借方に現金過不足300を入れて終了。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
・ポイント

現金過不足が発生した場合は、現金勘定を金庫に合わせる!
仕訳の際、まずは現金の増減を仕訳して相手勘定に現金過不足!

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

3.原因判明

現金過不足が発生した場合において、原因が判明したケースです。
この場合、判明した取引を仕訳してあげればOKです。

例題3)

上記例題2において現金過不足として処理していた300は、
交通費300の記帳漏れであることが判明した。

(交通費)300 (現金過不足)300

本来であれば貸方は「現金」ですが、
現金については現金過不足を計上した時点で、計上されています。
したがいまして、貸方は現金ではなく「現金過不足」となります。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
・ポイント

現金過不足の仕訳後に原因が判明した場合、本来現金として仕訳する箇所は、
「現金過不足」で仕訳!

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

4.おわりに

今回は現金過不足について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
現金過不足は決算整理でも出てくる項目ですので、
まずは今回の箇所をしっかりと押さえておいて下さいね!

 

 

2013年03月24日(日)|仮勘定, 日商3級の内容及び解説

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