2013年6月の記事一覧

固定資産の仕訳問題/税理士が教える簿記テクニック

こんにちは、KENです。

簿記の上達方法はなんといっても「問題を解くこと」です。
問題を解いた分だけ理解度も上がりますので、ぜひ解いて下さいね。
ただし、闇雲に解くのではなく、

内容を理解してから解く

ことを忘れないで下さい。
ですので、内容を理解していない場合には、前回のメルマガを確認してから解いて下さいね。

~問題~
1.A商店は100,000の土地を購入し、代金は月末に支払うこととした。なお、不動産会社への手数料1,500は現金で支払った。

2.A商店は上記1で購入した土地を110,000で売却し、代金は月末に受け取ることとした。なお、不動産会社への手数料1,500は現金で支払った。

3.上記2で売却価格が98,000だった場合。

~解答~
1.A商店は100,000の土地を購入し、代金は月末に支払うこととした。なお、不動産会社への手数料1,500は現金で支払った。

(土地)101,500  (未払金)100,000
           (現金)1,500

購入時の付随費用は、取得価額に算入します。
また、代金は商品売買以外の未払いですので、「未払金」勘定です。

2.A商店は上記1で購入した土地を110,000で売却し、代金は月末に受け取ることとした。なお、不動産会社への手数料1,500は現金で支払った。

(未収金)110,000  (土地)101,500
(土地売却益)8,500
(支払手数料)1,500 (現金)1,500

悩んだ方が多かったのではないでしょうか。
不動産会社への手数料は、「支払手数料」勘定を使用します。
取得価額に算入云々は購入時の話です。
そちらが特例なんですね。
基本的に、手数料を払ったら支払手数料勘定と覚えておきましょう。

3.上記2で売却価格が98,000だった場合。

(未収金)98,000  (土地)101,500
(土地売却損)21,500
(支払手数料)1,500 (現金)1,500

上記2が解ければ簡単ですね。
売却損益は、「いくらのモノをいくらで売ったのか?」から導き出せばOKです。

2013年06月27日(木)|仕訳問題, 日商3級の内容及び解説

固定資産を購入した場合の仕訳方法は?/税理士が教える簿記テクニック

こんにちは、KENです。

今回は「固定資産」についてです。

1.固定資産の概要

日商3級で学習する固定資産は、一般的に「有形固定資産」と呼ばれるものです。
すなわち、

1年以上使用する資産で形があり結構値段が張るもの

のことを指します。
日商3級で学習する有形固定資産の勘定科目は次の通りになります。

建物:家、ビル、倉庫など
車両(又は車両運搬具):車、バイクなど
備品(又は器具備品):パソコン、机、椅子など
機械(又は機械装置):商品製造用の機械など
土地:建物の敷地など

勘定科目と中身は大体一致するかと思いますが、注意するのは「備品」です。
備品は「備える品」ですので、「置いて使うもの」だと思って下さい。
ホワイトボードなども置いて使いますので備品ですね。

また、有形固定資産を購入した場合に手数料等の付随費用が発生することがあります。
この付随費用は、全て取得価額に算入します。
仕入の際に発生した付随費用を仕入に加算したのと同じ理屈ですね。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
・ポイント

有形固定資産の取得価額=購入価格+付随費用

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

2.固定資産の極意

試験上で固定資産の論点と言いますと、取得価額算定と売却の論点になります。
この売却ですが、

分記法と同じ考え方

をすればOKです。
(分記法を忘れてしまった方は、メルマガを読み直しておいて下さい^^)

例1)売却益がある場合
A商店は購入価格8,000、手数料100で購入した土地を8,500で売却し、
代金は月末に受け取ることとした。

(未収金)8,500 (土地)8,100
(土地売却益)400

取得価額は、購入価格+付随費用ですので8,100になります。
そして、8,100の土地を8,500で売ったので、8,500-8,100=400が益になります。
売却して利益が出たので、「土地売却益(又は固定資産売却益)」勘定を使用します。

また、代金は未収とありますので売掛金としてしまった方もいるかも知れませんが、
商品売買以外の取引による未収ですので、「未収金」勘定を使用します。

例2)売却損がある場合
上記例1で、売却価格が7,500だった場合。

(未収金)7,500 (土地)8,100
(土地売却損)600

8,100の土地を7,500で売ったので、8,100-7,500=600が損になります。
売却して損が出たので「土地売却損(又は固定資産売却損)」勘定を使用します。

3.おわりに

今回は「固定資産」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
固定資産の取得は仕入と同じ考え方で、売却は分記法と同じ考え方です。
かなりとっつき易かったのではなかなと思います。

 

2013年06月24日(月)|日商3級の内容及び解説, 資産関係

租税公課の仕訳問題

簿記の上達方法はなんといっても「問題を解くこと」です。
問題を解いた分だけ理解度も上がりますので、ぜひ解いて下さいね。
ただし、闇雲に解くのではなく、

内容を理解してから解く

ことを忘れないで下さい。
ですので、内容を理解していない場合には、前回のメルマガを確認してから解いて下さいね。

~問題~

1.A商店は500の収入印紙を購入し、代金は現金で支払った。

2.A商店は固定資産税3,000を現金で支払った。なお、800は店主分の固定資産税である。

3.A商店は社員旅行で温泉に行き、入湯税80を現金で支払った。

~解答~

1.A商店は500の収入印紙を購入し、代金は現金で支払った。

(租税公課)500 (現金)500

収入印紙は税金を現金ではなく印紙で払うために使用します。
したがって、収入印紙を買う=税金の支払い=租税公課となります。

2.A商店は固定資産税3,000を現金で支払った。なお、800は店主分の固定資産税である。

(租税公課)2,200  (現金)3,000
(引出金)800

固定資産税も租税公課勘定を使用します。
なお、店主分につきましては「引出金」勘定を使用します。
忘れないで下さいね!

3.A商店は社員旅行で温泉に行き、入湯税80を現金で支払った。

(租税公課)80 (現金)80

入湯税は試験では出ません。
ただ、実務上ではたまに出てきます。
「法人税・住民税・事業税・消費税」以外の税金は租税公課でOKです。

 

2013年06月20日(木)|仕訳問題

収入印紙は税金?租税公課の仕訳

今回は「租税公課」についてです。

1.租税公課の極意

私たちの周りには色々な税金があります。
所得税・消費税・自動車税・・・入湯税なんていうものもあります。

このうち、3級で学習するものは、次の2つです。
しっかりと覚えて下さい。

(1)固定資産税
(2)収入印紙

収入印紙についてはちょっとピンと来ないかも知れませんが、
収入印紙は印紙を貼ることでその印紙代金分の税金を納めたという扱いになります。

3級では「印紙を買う→印紙を貼って税金を払う」という流れを簡便化して、
「印紙を買う=税金を払う」行為とみなしています。

税金を払った場合の勘定科目は「租税公課(そぜいこうか)勘定(費用)」を使用します。

例)

A商店は、収入印紙300を購入し、代金は現金で支払った。

(租税公課)300 (現金)300

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・ポイント

固定資産税・収入印紙とくれば「租税公課」

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

2.おわりに

今回は「租税公課」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
日商3級では収入印紙を購入したというケースがよく出ます。

収入印紙と切手を混同されている方もいらっしゃいますので、注意して下さい。
収入印紙は「税金の支払いに使用するモノ」です。

 

 

2013年06月17日(月)|日商3級の内容及び解説, 費用

資本金・引出金の仕訳問題

簿記の上達方法はなんといっても「問題を解くこと」です。
問題を解いた分だけ理解度も上がりますので、ぜひ解いて下さいね。
ただし、闇雲に解くのではなく、

内容を理解してから解く

ことを忘れないで下さい。
ですので、内容を理解していない場合には、前回のメルマガを確認してから解いて下さいね。

~問題~

1.A商店は70,000を当座預金に元入れし事業を開始した。

2.光熱費3,000を現金で支払った。なお、このうち1,000は店主個人の光熱費である。

3.店主は、上記2の金額を現金で返済した。

 

~解答~

1.A商店は70,000を当座預金に元入れし事業を開始した。

(当座預金)70,000 (資本金)70,000

元入れといわれたら資本金の増加です。

2.光熱費3,000を現金で支払った。なお、このうち1,000は店主個人の光熱費である。

(光熱費)2,000 (現金)3,000
(引出金)1,000

全て光熱費にしてしまいませんでしたでしょうか?
1,000については店主個人の光熱費、即ち私用で使ったものになります。
したがって、その部分については光熱費ではなく「引出金」となります。

3.店主は、上記2の金額を現金で返済した。

(現金)1,000 (引出金)1,000

通常、引出金はすぐに決済されます。
一時的に会社から借りたお金というイメージですね。
引出金が返ってきた場合には、引出金を取り消す仕訳をすればOKです。

 

2013年06月13日(木)|仕訳問題

税理士官報合格者による税理士試験攻略法

税理士試験は長くかかる試験と言われています。
実際、私も10年かけて官報合格しましたし、
周りを見回しても早い人で4~5年、平均では7~8年だと思います。

しかも、合格できればいい方で、ほとんどの方は途中で挫折してしまいます。
5科目合格すると言うのは、簡単そうに見えて、かなりいばらの道なんですね。

毎年、税理士試験は5万人近くが受験します。
そして、官報合格は1,000人程度。
単純計算をしますと、1,000÷5万×100=2%の合格率です。

ただ、途中で挫折してしまった方を含めると、
恐らく1%未満どころか0.5%とかその辺の確率になってしまうと思います。

そんな税理士試験ですので、チャレンジするのであれば、
対策をしてからチャレンジした方がいいのは言うまでもありません。
ここで、その対策方法をご紹介します。

■勉強の仕方

1.専門学校を使う

私は授業を受けることが苦で仕方がなかったので、基本的に授業は受けませんでした。
その代わり、テキストや練習問題、答練などを使って学習をしていました。

専門学校のカリキュラムは、スピードが遅い時もあれば早い時もありますので、
自分のペースで学習をすることができません。
であれば、資料だけはもらって、後は自分のペースで学習するのがいいと思います。

もちろん、授業を受けないとやらないという方や、授業があった方がいいという方は、
授業を受けても全く問題はありませんが、その際は、

授業は勉強じゃない

ということを認識して受講するようにしましょう。
授業を聞くと勉強をした気になってしまい、その後勉強しなかったりします。
そうではなくて、授業は勉強をするための起爆剤程度に考えておきましょう。

小テストのために理論を暗記する・・・
宿題をやるためにテキストを開く・・・

こういった好循環を得られるのであれば、授業を受けるべきだと思います。
逆に、得られないのであれば授業を受ける必要はないでしょう。
資料コースを申し込んで、わからないところだけ質問すればいいだけです。

2.計算は総合問題を中心に

計算問題については、個別問題はあまり解かなくていいと思います。
総合問題をやって、できなかったところだけ個別問題を解くようにしましょう。

総合問題をやることで、試験の全体像が見えてきます。
全体像をイメージしながら解いた方が、理解が早くなるんですね。

例えば、法人税法であれば、別表四・五を作成する問題を解くことで、
法人税法の体系がわかるようになってきます。
個別問題で納税充当金の難しい問題をいくら解いたところで、体系には気が付けません。

ある程度できるようになったら、個別問題は無視して総合問題を解きましょう。
ある程度のレベルは、

テキストの練習問題が解ける

程度のレベルでいいと思います。
不安であれば、計算問題集の簡単な問題を2~3題だけ解いてみて、
それができればOKみたいなルールを作っておきましょう。

また、総合問題は簡単な問題よりも難しい問題を解きたくなりますが、
簡単な問題を何度も何度も解いて、満点を取れるようにする方法をおススメします。
簡単な問題だろうと難しい問題であろうと、ルールは同じです。

であれば、完璧に解けた問題の数を増やしていった方が、ルールの理解が深まりと思われませんか?
難しい問題を解くのはただの自己満足で終わる可能性が高いです。
簡単な問題を完璧に取れれば、税理士試験では合格答案を作ることができます。

満点を取るのが目的ではなく、合格答案を作るのが目的ですので、
特に時間がない方は簡単な問題を繰り返し解くようにしましょう。

あと、満点とかそれに準ずる点数を取れる問題を解くことはそこまでストレスになりません。
逆に、難しい問題は解くだけでかなりのストレスになります。
長い試験ですので、ストレスはなるべく少なくしたいですよね。

ストレスがたまらず、理解力は上がる・・・

そんな理想的な学習方法だと思いますよ。
ぜひ、お試しください。

3.理論

理論については、どの科目で合っても「全部覚える」ことを心掛けましょう。
よく全体の50%程度しか覚えないで試験を受ける人がいますが、
それはただ単に「落ちに行く」だけの話だと思います。

また、偶然覚えている理論が出たとしても、50%しか覚えていない人は、
それ相応の実力しかありませんので、合格することは困難だと思います。
なぜならば、

全ての理論を覚えることで体系が見えてくる

のが理論というものだからです。
全部覚えている人は、50%しか覚えていない人より、
何倍も何十倍も深い理解をしていると思います。

1つの理論は、そこで完結するものではなく、その他の理論とリンクしていきます。
覚えていないということは、そのリンクがない状態であり、
リンクしていない状態で他の理論とリンクしても元ができていないからダメということになります。

個人的には、理論を全て覚えずに受験するのであれば、
受験の時間を暗記の時間に使った方がいいとすら思います。
人それぞれでしょうが、その位、理論は大切なものだと考えています。

理論暗記は皆が嫌がることです。
逆に言いますと、皆が嫌がるからこそ頑張るのがいいと思います。

税理士試験は競争試験ですので、自分がどんなにいい点数を取っても、
周りがもっといい点数を取っていたら落ちてしまいます。

他の受験生に差を付けるためにも、理論暗記はしっかりとやるべきだと思います。
理論暗記の方法につきましては、以下の記事をご参照ください。

税法暗記の決定版!?

4.全体的に

計算であれ理論であれ、あまり個別にこだわるのはよろしくないと思います。
規定どうしの繋がりを常に頭に入れながら勉強するのがいいでしょう。

木を見て森を見ず

な勉強にならないようにしたいですね。
むしろ、森を見て木を見ずな学習方法でいいと思います。

5.勉強時間

1日10分でもいいので、とにかく毎日やるようにしましょう。
どんなに忙しい日でも10分であれば時間は取れます。
とにかく、毎日やることを心掛けましょう。

ちなみに、私は大体、毎年ゴールデンウイーク明け位からエンジンを掛け始め、
7月になって焦って勉強するというスタンスでした。
ですので、合格まで10年かかってしまいましたが、

これを1月とかから始めていれば5年位で合格できたのでは?と思います。
9月から始めていたら、3年で受かるのも夢ではないでしょう。

基本的には、税理士試験は努力した人が合格する試験です。
あまり才能とかは関係ないと思います。

毎日、そして効率良く学習することで、短期合格が狙えると思いますよ。
いばらの道ですが、ゴールした時の爽快感は半端じゃありません。
ぜひ、この喜びを味わってもらいたいと切に願います。

頑張りましょう!!

2013年06月12日(水)|税理士試験

税法暗記の決定版!?官報に載る暗記術

理論暗記については色々なやり方があると思います。
ここでは私のやり方を紹介します。

理論暗記をするステップは次のようにしました。

(1)内容を理解する

意味がわからなくては覚えられませんので、
まず、「どんな規定なのか?」をしっかりと把握しました。

(2)1行単位で音読し、覚えるまで繰り返す。

いっぺんに多くの行を覚えようとしても覚えられませんでしたので、
私は1行、長くても2行くらいの単位に区切って覚えていました。
ちなみに、音読は家では大きな声で、公衆の場では小さな声で。。。

(3)上記(2)を繰り返して、1ページ暗記したら、最初に戻る

片側半分が終わったら最初に戻ってやり直します。
全然覚えてないんですが、最初よりは時間が掛かりません。

(4)上記(2)(3)と同じ要領で次の1ページを暗記する。

あとは上記(2)(3)を繰り返して、1つの問題を終わらせます。

(5)最初から通す。

最後まで終わったら、最初からやり直します。
この際、完璧ではなくある程度覚えられたら次に行くのがいいと思います。
完璧に覚えようとするとへばってしまいますから。。。

(6)1週間以内に復習するよう心がける

あまり期間が空いてしまいますと忘れてしまいますので、
なんとか1週間以内には復習をするようにしたいです。
どんなに空いても1カ月以上は空けないようにしていました。

(7)3周目くらいからは頭出しもするようにする。

理論暗記が辛いのは最初の2周目までです。
3周目位になってくるとかなり楽になってきます。
ですので、ここで頭出しという作業を追加します。

(頭出しの例)

[1]納税義務者
(1)内国法人
(2)公共法人
(3)外国法人
(4)個人

[2]・・・・

書いて覚える人もいるようですが、書けるような量ではないと思いましたので、
私は常に音読をして暗記をするようにしていました。
基本的に、何度も何度も声を出すことが早く覚えることにつながると思います。

(8)完全暗記を目指す

自宅の住所を言う位、完全な暗記を目指していました。
ただ、どうしても得意な理論と苦手な理論が出てきてしまいます。
その場合、得意理論はあまり回さず、苦手理論を中心にやっていました。
得意理論はいつ見ても覚えているものです。

苦手理論をやって疲れたところで、休憩的な意味合いで得意理論を回す。
そういった作業を繰り返すことで、ほぼ全ての理論を「住所」にすることができますよ。

2013年06月11日(火)|税理士試験

資本金を引きだすと資本金の減少?

今回は「資本金・引出金」についてです。

1.資本金の極意

資本金とは会社を始めるための「元手」のことです。
元手がないと商売は始められませんからね。

もちろん、借金をして商売をすることもありますが、これは元手には入れません。
「自分のお金」を商売に使った場合に、資本金勘定を使用します。

例)
A商店は100,000を当座預金に元入れして事業を開始した

(当座預金)100,000 (資本金)100,000

この「元入れ」という言葉が出てきましたら、貸方は資本金でOKです。
基本的に、元入れは1回しかしませんので、試験上もほとんど出てきません。
とりあえず、「元入れ=資本金」と覚えておきましょう。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
・ポイント

元入れ=資本金勘定(資本)

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

2.引出金の極意

個人商店などの小さなお店では、店主が私用でお店のお金を使ったりすることがあります。

この場合、本来であれば資本金のマイナスとして処理すべきです。
元入れした金額を少し返してもらうというイメージです。

しかし、資本金は原則として増減させないのがルールです。
店主が私用で会社のお金を使ったり、使ったお金を戻したりした場合に
いちいち資本金勘定を増減させるのは都合が良くありません。

そこで、店主が会社のお金を私用で使ったり、使ったお金を戻した場合には、

「引出金(ひきだしきん)勘定(仮勘定)」

を使用して資本金勘定を増減させないようにします。
引出金勘定は資産・負債・資本のいずれにも該当しませんので、
これは仮勘定ということになります。

「使ったお金はどうせすぐに返すでしょ」という意味合いです。

例)
店主は私用で使う交通費のために、当座預金から1,000を引き出した。

(引出金)1,000 (当座預金)1,000

ポイントは「私用」です。
交通費のために・・・とあるのはダミー資料です。
私用で使ったものを会社の交通費にする訳にはいけません。

会社のお金と個人のお金はきちんと使い分けなければいけないのです。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
・ポイント

店主が私用で使ったお金=引出金勘定(仮勘定)

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

3.おわりに

今回は「資本金・引出金」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
どちらも実務上はあまり出てこない項目ですが、「引出金」については結構試験で出ます。

かくいう私も、3級を受験した時に出ました。そして間違えました。。。
あまり使わないので忘れてしまいがちですが、試験前くらいには見直して下さいね。

 

2013年06月10日(月)|仮勘定, 日商3級の内容及び解説

税理士試験固定資産税の学習方法&必勝(!?)法

1.固定資産税の概要

固定資産税は地方税法の一部であり、「固定資産税法」とは言いません。
地方税法の中の固定資産税という括りですね。

固定資産税は、土地・家屋・償却資産に対して地方が課す税金です。
評価額の1.4%が基本的な税額となり、評価額を出す過程を見るのが、
固定資産税の試験内容になります。

固定資産税は賦課課税方式であり、法人税等の申告納税方式と異なります。
よって、普通であれば地方団体が「あなたの税額は●●円です」と通知をしてきて、
その金額を納税することになります。

そうすると、こんな科目はいらないのではないかと思われるかもですが、
税額を試算する場合にも地方団体にお願いする訳にはいきませんので、
税額試算という概念からこの科目も税理士試験に含まれています。

近年では、税理士試験から固定資産税が無くなるなどと言われていましたが、
固定資産評価員に税理士が多く選ばれている等の現実から、
試験科目として残っているのが現状のようです。

ただ、いずれ固定資産税という税金自体が無くなるかも知れませんが・・・

2.固定資産税の学習方法&必勝法

■計算

計算は大きく分けると次の通りになります。

・通常の計算
・区分所有家屋
・農地
・償却資産

基本的には通常の計算に力を入れればいいと思います。
通常の計算ができれば、区分所有家屋と農地は少し足せばできてしまいます。

ただ、償却資産(特に大規模の償却資産)については、
全然違う計算の仕方をしますので注意が必要です。
よって、ここは全く別のものを扱うつもりでしっかりと押さえておきましょう。

出題傾向としては、区分所有家屋が出たら次は農地か償却資産で、
また次は区分所有家屋というイメージです。
区分所有家屋は論点を多く聞くことができるので、出題頻度が高くなっています。

もちろん、2年連続で出る可能性もありますから、
去年出たからと言って、区分所有家屋を切るようなことはしない方がいいです。
ただでさえ量が少ない科目ですので、手抜きすることなく押さえておきたいですね。

また、固定資産税は計算パターンが結構面倒です。
大原の計算パターンなんて、正直、これを覚えるのが大変なのでは?
という位書くことが多いです。

逆にTACについては、かなり簡略化されていますので、
計算はTACベースでやるのがいいと思います。
計算パターンに配点があるという方もいますが、余程はしょらない限り、
減点されることはないのではないかと思っています。

あと、直前模試とかはかなりレベルが高くなっていますが、
本試験の計算問題は標準的なレベルが多いため、満点勝負です。

部分点を取りに行くような学習方法ではなく、簡単なものをしっかり満点取れるような、
学習方法をするのがコツだと思います。

■理論

酒税法に次いで理論が少なく、大原の理論サブノートには25題しか収録されていません。
ですので、基本的には全て丸暗記をすることになります。
なお、TACの理論マスターには理論サブノートにはない項目(刑罰等)が載っていますので、
余裕があればこちらも覚えておきたいところになります。

ちなみに、僕は理論サブノート全部と理論マスターから数題と、
過去問から土地・家屋の評価方法の理論を取りだして覚えました。
それに加え、理論テキストからピックアップした論点を追加で覚えました。
例としては、納税管理人や質問検査権などです。

基本的に、ベタ書き問題が多い科目ですので、書けなければ終わってしまいます。
そうならないためにも、理論サブノート+αで覚えるべきでしょう。
それでも、実質的には30数題程度です。
消費税法よりも軽いので、楽勝です!

また、理論は大原ベースがいいと思います。
大原の方が内容が凝縮されていますので、覚えるのが少ないのがいいですね。

なお、応用理論はそこまで難しくありませんが、直前期には目を通しておきましょう。
過去問レベルが解ければ問題ありません。

■時間配分

計算:60分
理論:60分

順番:計算⇒理論

計算は基本的に満点勝負ですので、
税額が合わなかった時点で不合格を意識しなければならないレベルです。

したがって、まずはしっかりと計算で満点の答案を作って、
理論を解くのが合理的だと思います。

合格時の自己採点と専門学校予想

理論:50点
計算:50点
合計:100点

専門学校

ボーダーライン:90点
合格確実ライン:96点

税額がピッタリと合いました。
理論もベタ書き問題だったので、ベタ書き+αで書きました。
ただ、計算パターンや理論の中身を若干はしょった部分がありましたので、
少しずつ減点されていたかも知れません。

それにしても、合格確実ラインが96点ということで、実質的に満点勝負な試験でした。
少しでも減点があれば、満点だと思っていても不合格になるような試験でした。
ですので、発表までは受かっているかどうかかなり不安でしたね。

正直、ミスが許されない試験というのは相当キツいと思います。
簿記論のように、半分取れば合格という試験の方が個人的にはいいですね。

参考)
税理士試験固定資産税の学習方法と学習時間など
税法暗記の決定版!?官報に載る暗記術 税法暗記の決定版!?官報に載る暗記術
税理士官報合格者による税理士試験攻略法 税理士官報合格者による税理士試験攻略法
簿財に苦戦するようじゃ税法は無理!は本当か? 簿財に苦戦するようじゃ税法は無理!は本当か?
税理士試験関係記事一覧 税理士試験関係記事一覧

2013年06月06日(木)|税理士試験

貸付金・借入金の仕訳問題

簿記の上達方法はなんといっても「問題を解くこと」です。
問題を解いた分だけ理解度も上がりますので、ぜひ解いて下さいね。
ただし、闇雲に解くのではなく、

内容を理解してから解く

ことを忘れないで下さい。
ですので、内容を理解していない場合には、前回のメルマガを確認してから解いて下さいね。

~問題~

1.3/10 A商店はD銀行から200,000を借入れ、当座預金に入金した。
  年利は3.66%、利払日は3月と9月の末日とする。なお、当年は閏年である。

2.3/31 A商店は上記1の借入金のうち50,000を利息と共に当座預金から返済した。

3.5/7 A商店はF銀行から120,000を借入れ、
  満期までの利息を差し引いた金額を当座預金に入金した。
  年利は3.65%とし、満期は9月15日である。

4.9/15 A商店は上記3の借入金を全額当座預金から返済した。

~解答~

1.3/10 A商店はD銀行から200,000を借入れ、当座預金に入金した。
  年利は3.66%、利払日は3月と9月の末日とする。なお、当年は閏年である。

(当座預金)200,000 (借入金)200,000

お金を借りたら借入金勘定(負債)です。

2.3/31 A商店は上記1の借入金のうち50,000を利息と共に当座預金から返済した。

(借入金)50,000 (当座預金)50,440
(支払利息)440

利息の計算は下記の通りです。

200,000×3.66%×22日/366日=440

設問において閏年の記載があるため、1年間は366日で計算します。
なお、当年は閏年ですが問題に断りがなければ365日で計算してOKです。

また、日数は3/10~3/31ですので22日間になります。
31-10=21日としないように注意して下さい。
算式としては、31-10+1=22日になります。

※単純に引き算した場合には、最後に「+1」をしてあげればOKです。

3.5/7 A商店はF銀行から120,000を借入れ、
満期までの利息を差し引いた金額を当座預金に入金した。
年利は3.65%とし、満期は9月15日である。

(当座預金)118,416 (借入金)120,000
(支払利息) 1,584

利息の計算は下記の通りです。

120,000×3.65%×132日/365日=1,584

借入時に利息を控除するパターンの問題です。
満期までの利息を差し引いたとありますので、満期までの利息を出さなければなりません。
5/7~9/15は132日間になります。

5月:25日(31ー7+1)、6月:30日、7月:31日、8月:31日、9月:15日
合計:132日

※日数計算は、面倒ですが上記のように日数を書き出した方が無難です。

4.9/15 A商店は上記3の借入金を全額当座預金から返済した。

(借入金)120,000 (当座預金)120,000

全額返済ですので、上記仕訳になります。
また、利息については先に支払ってありますので、考慮する必要はありません。
ただし、最初に控除した利息を元本から引いてしまわないように注意しましょう。
借りた金額は、あくまで120,000です。

 

2013年06月03日(月)|仕訳問題, 日商3級の内容及び解説

借金の会計処理は貸付金と借入金

今回は「貸付金・借入金」についてです。

1.貸付金・借入金の概要

商売をする上では、「お金」がなければできません。
しかし、会社は常に潤沢なお金を持っている訳ではありません。
日常かかる経費にお金を使ったり、設備投資を行ったりするからです。

もちろん、お金がなくなってしまうと支払いができませんので、会社は成立しません。
しかし、突然出費がかさむということも、よくある話です。

従いまして、会社はお金がなくなった場合には、「借金」をして対応します。
この借金は経営が苦しいとかではなく、会社としてごく普通のことです。
借金は、会社の潤滑油のようなものですね。

ただし、借金には「金利」がかかります。
年間●%とかいうやつですね。
この、金利を考えて借入を行わなければなりません。

もちろん、お金を借りることによって金利よりも多く稼げればOKです。
つまり、

3%で借りたお金を10%で運用した

のであれば、「10%-3%=7%」が利益ということになります。
これであれば、お金を借りても問題がないですね。
借金をすることで、会社はより儲けることができるようになります。

ただし、借金の返済のために借金をするようでは、
借りたお金から収益が生じませんので、これはいけません。
俗に言う、「自転車操業」状態となり、金利負担が会社経営を圧迫していきます。

したがって、お金を借りる場合には「金利以上に儲けられるか」がポイントとなります。
金利以上に儲けることができるのであれば、借入を増やせばOK。
逆に、金利以下の場合には借入を減らさないといけないことになります。

通常、賞与の支払い等のために借りる「儲けを生まない借金」は早く返済し、
設備投資等のために借りる「儲けを生む借金」は長期に渡って返済します。
お金の借り方にも色々あるんですね。

なお、利息の計算は下記の算式で算定します。

元本×金利

利息を減らすには、元本か金利のどちらかを減らさなければなりません。
しかし、通常、金利を減らすことはできませんので、元本を調節することで金利を調整します。

「借金」と言いますと何か悪いイメージがあるかも知れませんが、会社の場合には借金がないことの方が少ないです。
基本的には、金利より稼ぐことができるため、借金をしていくのですね。

簿記では、

お金を貸したら「貸付金勘定(資産)」
お金を借りたら「借入金勘定(負債)」

で処理をします。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
・ポイント

お金を貸したら「貸付金」、借りたら「借入金」を使用!

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

2.貸付金・借入金の極意

お金を貸した・借りた場合には、貸付金・借入金として処理します。
貸付(借入)時には、現預金が減少(増加)することになります。
また、利息のデータが問題文に必ずありますので、次の事項をチェックしましょう。

(1)金利は何%?
(2)借入期間は?(記載がない場合もあります)
(3)利払日は?
(4)年割・月割・日割?(記載がない場合には日割で計算します)

これらのデータがないと問題が解けませんので注意して下さい!

例1)
1/1 A商店は、D銀行から100,000を借入れ、当座預金に入金した。
なお、利息は年利3.65%とし、利払日は、6月及び12月の末日とする。

(当座預金)100,000 (借入金)100,000

お金を借りた場合は、借入金勘定(負債)を使用します。

例2)
6/30 A商店は上記借入金のうち20,000を返済し、利息を含めて当座預金から支払った。

(借入金)20,000 (当座預金)21,810
(支払利息)1,810

利息の計算は次の通りです。
100,000×3.65%×181日/365日=1,810

1/1~6/30ですので、丁度半年分ですが、日数としては181日になります。

※1月:31日、2月:28日、3月:31日、4月:30日、5月:31日、6月:30日
合計:181日

例3)
12/30 A商店は上記借入金のうち20,000を返済し、利息を含めて当座預金から支払った。

(借入金)20,000 (当座預金)21,472
(支払利息)1,472

利息の計算は次の通りです。
80,000×3.65%×184日/365日=1,472

例2で元本を20,000返済していますので、差引元本は80,000です。
元本の変動には注意して下さい。

日数は下記により184日になります。

※7月:31日、8月:31日、9月:30日、10月:31日、11月:30日、12月:31日
合計:184日

3.おわりに
今回は「貸付金・借入金」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
なお、金利計算については、以前の記事で紹介していますのでそちらをご確認下さい。

参考)

金利計算のやり方・テクニック・コツなどを伝授します

2013年06月02日(日)|日商3級の内容及び解説, 負債関係, 資産関係

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