今回は「修正仕訳2」についてです。
1.修正仕訳の上級テクニック
前回のメルマガで修正仕訳の方法をお伝えしました。
やり方は、下記の通りです。
(1)誤った仕訳をする
(2)誤った仕訳の逆仕訳(※)をする
(3)正しい仕訳をする
(4)上記(2)と(3)の仕訳を合算
(5)検算する
この方法であれば、修正仕訳を間違えることはありません。
しかし、若干手間がかかります。
それが、(4)の部分です。
仕訳を合算してかぶっている項目を消していくことになりますので、手間がかかります。
そのため、その作業を省略してしまうのが今回紹介するテクニックです。
やり方としては、
(1)誤った仕訳をする
(2)正しい仕訳をする
(3)(1)と(2)を比べてかぶっている項目は無視する
(4)かぶっていない項目について次の仕訳をする
誤った仕訳部分 → 逆仕訳
正しい仕訳部分 → そのまま仕訳
(5)検算する
となります。
例題と共にみていきましょう。
例1)
売掛金1,000が当座預金に入金されたが、誤って現金入金として処理した。
(1)誤った仕訳
(現金)1,000 (売掛金)1,000
(2)正しい仕訳
(当座預金)1,000 (売掛金)1,000
(3)(1)と(2)を比べてかぶっている項目は無視する
(現金)1,000 (売掛金)1,000
(当座預金)1,000 (売掛金)1,000
この場合、貸方売掛金1,000がかぶっています。
つまり、この仕訳は合っているということで無視します。
(4)かぶっていない項目について次の仕訳をする
誤った仕訳部分 → 逆仕訳
正しい仕訳部分 → そのまま仕訳
(当座預金)1,000 (現金)1,000 → 解答
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正しい仕訳 誤った仕訳
(5)検算する
誤った仕訳+訂正仕訳=正しい仕訳 となればOKです。
(現金)1,000 (売掛金)1,000
(当座預金)1,000 (現金)1,000
↓
(当座預金)1,000 (売掛金)1,000
上記(2)の正しい仕訳と一致していることを確認して下さい。
例2)
A商店はB商店から商品3,500を仕入れ代金は掛けとしたが、貸借逆に仕訳していた。
(1)誤った仕訳
(買掛金)3,500 (仕入)3,500
(2)正しい仕訳
(仕入)3,500 (買掛金)3,500
(3)(1)と(2)を比べてかぶっている項目は無視する
(買掛金)3,500 (仕入)3,500
(仕入)3,500 (買掛金)3,500
この場合、かぶっている項目はありません。
(4)かぶっていない項目について次の仕訳をする
誤った仕訳部分 → 逆仕訳
正しい仕訳部分 → そのまま仕訳
(仕入)3,500 (買掛金)3,500 →逆仕訳
(仕入)3,500 (買掛金)3,500 →そのまま仕訳
↓
(仕入)7,000 (買掛金)7,000 →解答
(5)検算
誤った仕訳+訂正仕訳=正しい仕訳 となればOKです。
(買掛金)3,500 (仕入)3,500
(仕入)7,000 (買掛金)7,000
↓
(仕入)3,500 (買掛金)3,500
上記(2)の正しい仕訳と一致していることを確認して下さい。
ただし、「貸借逆に切ってしまった」という問題の場合、
・正しい仕訳×2
の方が早く解けます。
慣れていれば、こちらの仕訳をするようにして下さい。
このテクニックは最初はわかり辛いかもしれません。
しかし、修正仕訳は2級・1級と進むとどんどん複雑化してきます。
その際に、パパッと解けるようにするためにも、
ぜひ身につけておいてもらいたいテクニックです。
ポイントは、
同じ項目は無視すること
です。
その分は仕訳をしないで済みますので、時間が短縮できます。
また、仕訳をしないということは、ケアレスミスの可能性も減らせますよ!
また、3/10~3/20までの期間はメールを頂いてもお返事ができません。
3/21以降に返信することになりますので、それでも良ければメール下さいね。
3.おわりに
今回は「修正仕訳2」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
難しそうに感じたかも知れませんが、非常に合理的な方法です。
これを覚えてしまえば、修正仕訳など恐れる必要はありません。
ぜひぜひ、マスターして下さい。