こんにちは、KENです。
今回は「決算整理前試算表」についてです。
1.概要
今までは期中の取引を学習してきました。
これからは期末に行うことを学習していくことになります。
ここからが本番です!
期末になりましたら、決算を行う準備をします。
今までは、取引があったら仕訳をしていました。
これからは、次のような流れで決算をしてきます。
・期中取引を取り纏める
・決算整理仕訳をする
・貸借対照表、損益計算書を作成する
期中に行った仕訳は、1つ1つバラバラなものです。
そのままでは、何が何だかよくわからなくなりますので、科目ごとに取り纏めをします。
この取り纏めをする表のことを「試算表」と言います。
試算表には、期首から繰り越されてきたものと期中の取引を合わせたものが集計されます。
そして、きちんと貸借が合っているかをチェックします。
このチェックが完了して、初めて決算整理仕訳へと進んでいくことになります。
試算表は、決算前のリハーサルみたいなものですね。
なお、試算表は英文で「Trial Balance(トライアルバランス)」と表すことから、
試算表のことを「T/B(ティービー)」と呼びます。
こちらの方が一般的な用語ですので、今後は特に注意がない限りT/Bと書いていきます。
覚えておいて下さいね。
2.決算整理前試算表の概要
それでは早速、決算整理前試算表について確認していきましょう。
T/Bには、種類が3つあります。
(1)合計試算表
借方・貸方別々にT/Bに載せます。
(2)残高試算表
借方・貸方をNETしてT/Bに載せます。
(3)合計残高試算表
まず(1)を作成し、その隣に(2)を作成します。
例とともに確認しましょう。
例)
当期の取引は次の通りであった。
なお、期首は現金1,000/資本金1,000のみだった。
・商品1,000を現金売上
・商品800を現金仕入
・現金
(借方)2,000 (貸方)800 → 合計
(借方)1,200 → 残高
・売上
(貸方)1,000
・仕入
(借方)800
・資本金
(貸方)1,000
合計試算表
借方合計値2,000+800=2,800
貸方合計値800+1,000+1,000=2,800
残高試算表
借方合計値1,200+800=2,000
貸方合計値1,000+1,000=2,000
となります。
T/Bの問題を解くコツは、「全て仕訳すること」になります。
そして「仕訳をしたら漏らさず集計すること」が必要です。
この「集計」の技術が、とても大事になります。
集計漏れがありますと、貸借は一致しません。
T/Bを解く場合、次のことを必ず行いましょう。
・まず「何のT/Bを作成するのか」を確認する(一番大事です!)
・仕訳を全て書くorT勘定に全てまとめる
・T/Bに転記した仕訳orT勘定については「チェック」を付ける
・転記が終わったら、チェック漏れがないかを探す
・チェック漏れがなければ貸借の計算をする
・貸借が一致すれば無事終了!
なお、貸借が一致したとしても科目を間違えている可能性もあります。
そちらについても、しっかりと確認しておきましょう。
3.おわりに
今回は「決算整理前試算表」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
T/Bは必ずと言っていいほど出題されます。
しかも配点は30点!
T/Bを落としたら合格することはできません。
何度も何度も問題を解くようにして下さいね。