2013年12月の記事一覧

貸倒が生じた場合の仕訳問題

簿記の上達方法はなんといっても「問題を解くこと」です。
問題を解いた分だけ理解度も上がりますので、ぜひ解いて下さいね。
ただし、闇雲に解くのではなく、

内容を理解してから解く

ことを忘れないで下さい。
ですので、内容を理解していない場合には、前回の記事を確認してから解いて下さいね。

~問題~

A社はB社に対して、売掛金2,000を有していたが、B社の経営状況が悪化したため、現金1,200を受取り、差額は回収しないこととした。

~解答~

(現 金) 1,200  (売掛金)2,000
(貸倒損失) 800

売掛金2,000のうち1,200しか回収できないことが確定しましたので、
差額の800は貸倒損失として処理します。

なお、売掛の相手先に対して債権を免除することを債権者が確定させた場合、
法的にも貸倒れとして認められることになります。

2013年12月29日(日)|仕訳問題

貸倒引当金がない場合の貸倒れは貸倒損失という費用項目になります

今回は「貸倒れ」についてです。

1.貸倒損失の概要

売掛金や立替金、貸付金などは資産として計上されています。
これは、「将来お金が入ってくる権利」だからですね。

お金が入ってくる場合には問題ありませんが、相手先の倒産等で
返ってこないこともあります。
このような場合にはどのような処理をすればいいでしょうか。

答えは、

損失(費用)を計上する

ことになります。
立替金の例で見てみましょう。

立替金は、お金を立替えてあげただけです。
収益も費用も関係ありません。
仕訳としては、

(立替金)××× (現金)×××

となります。
この立替金が返ってこない場合、

(   )××× (立替金)×××

という仕訳をしますが、お金は返ってこなかった訳です。
そうすると・・・損していますよね。

売掛金・貸付金の場合も全く同じで、
ようは貸したお金が返ってこない。

そうすると、そのお金は「損」することになります。
この時、簿記では「貸倒損失(費用)」という科目を
使用することになります。

※簿記では、貸したお金が返ってこないことを
「貸倒れ(かしだおれ)」と呼びます。
 また、費用・損失と言い方は違えど、仕訳上は
共に費用勘定として処理します。

2.貸倒損失の処理

貸倒損失の仕訳はいたってシンプルです。
概要でお話したとおり、貸していたものが返って
こないことが確定した場合に貸倒損失を計上します。

例)
A商店はB商店に売掛金800を有していたが、B商店の倒産に伴い、回収できないことが明らかになった。

(貸倒損失)800  (売掛金)800

例2)
A商店はB商店に貸し付けていた2,000を貸倒れとして処理した。

(貸倒損失)2,000  (貸付金)2,000

3.おわりに

今回は「貸倒れ」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
次回、貸倒損失と貸倒引当金というものの関係を確認します。
貸倒損失は貸倒引当金を学習する前の準備作業みたいなものですね。

2013年12月26日(木)|日商3級の内容及び解説

仮払金の決算整理に係る仕訳問題(上級編)

簿記の上達方法はなんといっても「問題を解くこと」です。
問題を解いた分だけ理解度も上がりますので、ぜひ解いて下さいね。
ただし、闇雲に解くのではなく、

内容を理解してから解く

ことを忘れないで下さい。
ですので、内容を理解していない場合には、前回の記事を確認してから解いて下さいね。

~問題~

決算にあたり、仮払金の決算整理を行う。
仮払金の内容は次の通りである。

・出張旅費の仮払い 2,000

なお、当該出張に係る費用は、旅費2,500であった。
また、この他に現在出張中の従業員への仮払いが3,000ある。

・備品購入の手付金8,000

なお、決算日現在において当該備品の引き渡しは完了している。

~解答~

決算にあたり、仮払金の決算整理を行う。
仮払金の内容は次の通りである。

・出張旅費の仮払い 2,000

なお、当該出張に係る費用は、旅費2,500であった。
また、この他に現在出張中の従業員への仮払いが3,000ある。

(旅費)2,500 (仮払金)2,000
         (未払金)500

(立替金)3,000  (仮払金)3,000

出張が完了しているため、仮払金の精算を行います。
仮払金との過不足があった場合には、未収金・未払金で処理を行います。
また、出張中の場合には精算ができませんので、仮払金から立替金に振替えをします。

・備品購入の手付金8,000

なお、決算日現在において当該備品の引き渡しは完了している。

(備品)8,000  (仮払金)8,000

備品の引き渡しを受けているため、借方は備品となります。

2013年12月22日(日)|仕訳問題

仮払金の決算整理は実務上頻発しますのでしっかりとマスターしましょう

こんにちは、KENです。

今回は「仮払金の決算整理」についてです。

1.仮払金の概要

仮払金、覚えていらっしゃいますでしょうか。
出張に行くときなどに、とりあえず渡しておくようなお金のことです。

仮払金は「とりあえず」勘定ですので、決算では適正な科目に振替える必要があります。
この点は、現金過不足の考え方と同じですね。

仮払金を決算で計上して良いとすると、

・利益が少ない→費用を減らしたい→費用を仮払金に振替え

こういった利益操作を行うことができてしまいます。
それを排除するためにも、とりあえず勘定である仮払金は正しい勘定に振り替えをします。

実務では、旅費等の仮払いでよく出てきます。
この場合の処理を確認しておきましょう。

■出張旅費見合いとして10,000を仮払い

・出張完了
仮払金の精算を行い、旅費交通費等の勘定に振替え

・出張中
仮払金を「立替金」に振替え

ということで、「何の用途で仮払いをしたか?」をしっかりと確認しましょう。
出張旅費見合いであれば、旅費の「立替え」ですね。
そして、出張が終わっていれば旅費交通費等に振り替えればOKとなります。

実務では、とりあえず払っておいた場合に仮払金を使うことが多いです。
この場合、「立替え」であったり「前払い」であったりすることがほとんどです。
取引の内容を見て判断しましょう。

2.仮払金の決算整理

例)
決算にあたり、仮払金の決算整理を行う。
仮払金の内容は次の通りである。

・出張旅費の仮払い 3,000
なお、当該出張に係る費用は、旅費2,500、交際費300であった。

・備品購入の手付金10,000
なお、当該備品の引き渡しは決算日現在未了である。

(旅費)2,500  (仮払金)3,000
(交際費)300
(未収金)200

出張が完了しているため、仮払金の精算を行います。
仮払金との過不足があった場合には、未収金・未払金で処理を行います。

(前払金)10,000  (仮払金)10,000

備品の引き渡しを受けていないため、借方は備品ではありません。
このケースでは、先に払っておいたお金となりますので、前払金として処理を行います。

3.おわりに

今回は「仮払金の決算整理」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
仮払金の決算整理は、試験上はほとんど出ませんが実務上は頻出項目です。
実務に活かせる項目ですので、しっかりと覚えておいて下さいね。

2013年12月19日(木)|日商3級の内容及び解説

税理士試験固定資産税の学習方法と学習時間など

固定資産税は税理士試験の中ではプチ税法に位置しており、
プチ税法の中では、消費税法、国税徴収法に次いで、受験者
が多い科目となっています。

人気の秘密は、やはり理論が少ないことでしょうか。
固定資産税の理論は、理論サブノートですと25題しかなく、
酒税法に次いで少なくなっています。

それでいて、酒税法よりは実務的に使用する科目であること
から、人気を得ていたのですが、近年では受験者が減少傾向
であり、国税徴収法に受験者数で抜かれてしまいました。

なぜ人気が無くなったのかと言いますと、やはり満点勝負という
試験があまり馴染まないからでしょう。

固定資産税は、ほぼ満点に近いスコアを出さなければ合格する
ことは難しいため、一種のバクチのような扱いを受けているのが
現実です。

■計算の学習方法

固定資産税の計算は大きく分けると、

・通常の土地、家屋
・農地
・区分所有家屋
・償却資産(大規模含む)

の4つになります。
ただし、償却資産以外については、通常の土地・家屋の計算ができれば、
ほとんどカバーすることができるようになっています。

その中でも、区分所有家屋は多くの論点を聞くことができることから、
区分所有家屋を中心に学習するのが最も効率が良いと思います。

テキスト1で、通常の土地・家屋の計算をマスターしたら、すぐにでも区分所有
家屋に進みたいですね。そして、区分所有家屋をある程度できるようになったら、
農地や償却資産に手を出すような順番が良いのではないでしょうか。

ちなみに、固定資産税の計算パターンは大原ですと非常に文字数が多くなります。
逆にTACですとかなり省略した計算パターンでやりますので、計算については、
大原よりもTACでやった方が良いと私は思います。

もちろん、省略したバージョンで私は合格しましたので、省略したからと言って、
合否に影響があるようなことは無いものと考えられます。

さて、そんな固定資産税の計算ですが、学習していたのはこんな感じでした。

・授業 ⇒ TACの資料コースを申し込んだため、受講せず
・テキスト ⇒ 区分所有家屋と大規模の償却資産がメイン。ただし、穴は絶対作らない
・チェック(ワーク) ⇒ 総合問題形式のものは全て解く
・その他の個別問題 ⇒ 基本的な例題が解けるまで
・定例試験 ⇒ 全て満点取れるまで
・実力判定模試 ⇒ 全て満点取れるまで
・過去問 ⇒ 全て満点取れるまで(10年分くらい?)
・直前模試 ⇒ 難し過ぎる問題は2回解くだけで、簡単なものは満点取れるまで

ポイントは、総合問題は満点を取れるようになるまで解くことです。
固定資産税の本試験は、原則として税額が合う問題ですので、
税額をピッタリ合わせる練習をしておくべきでしょう。

逆に、直前模試などの難し過ぎる問題は、本試験のレベルを超えていますので、
とりあえずこういう問題もあるんだな程度で、2回程度回せば十分でしょう。

固定資産税の計算のポイントは、

・穴を作らない
・満点の答案を作る練習をする
・計算パターンはTACベースで

でしょうか。

上位の人はほぼ満点を取ってくる試験ですので、穴は作ってはいけません。
区分所有家屋の二号イや天井等の補正についても、必ず押さえておきましょう。

平成25年度の本試験ではその論点が出たようですが、
これは合わせて当然だと思いますよ。

固定資産税の計算は、簿記論に比べたら5分の1くらいだと思います。
この位でしたら、全部押さえなくてはいけませんね。

■理論の学習方法

固定資産税の理論は、体系が非常に分かり難いです。
1つ1つが独立した理論のように見えてくるんですね。

縦覧と閲覧とか、課税団体と課税客体くらいはつながっていますが、
その他は基本的にリンクしません。
よって、かなり面倒ですが1つ1つと向き合っていくことになります。

ちなみに、理論についてはTACよりも大原ベースが良いでしょう。
大原の理論サブノートはかなりまとめられていますので、覚えやすいし、
論点を多く書くことができますので、TACより有利だと思います。

ただ、理論サブノートに収録されていなくて、理論マスターに収録されている
ものがいくつかありますので、それらは理論サブノートに足しておきましょう。

あと、過去問の理論も一通り押さえておいた方が良いと思います。
とにかく数が少ないので、覚えていない理論が出てしまう可能性が高くなりますから、
1つでも多くの理論を覚えるようにしておきたいですよね。

私は、全部合わせて30題覚えていきましたが、消費税法以下の数ですし、
かなり楽勝で覚えられました。
ぜひ、固定資産税を受験される際は、理論サブノート+数題で挑んで下さい。

■固定資産税の学習時間

・計算 ⇒ 70時間
・理論 ⇒ 200時間

合計270時間というところでしょうか。
計算については、簿記2級の方が勉強した気がします(笑)
理論は200時間くらいは仕方がないですね。
それでも、他の税法に比べたら少ないので、しっかりと覚えましょう。

参考)
税理士試験固定資産税の学習方法&必勝(!?)法
税法暗記の決定版!?官報に載る暗記術 税法暗記の決定版!?官報に載る暗記術
税理士官報合格者による税理士試験攻略法 税理士官報合格者による税理士試験攻略法
簿財に苦戦するようじゃ税法は無理!は本当か? 簿財に苦戦するようじゃ税法は無理!は本当か?
税理士試験関係記事一覧 税理士試験関係記事一覧

2013年12月15日(日)|税理士試験

税理士試験消費税法の学習方法と学習時間など

消費税法は税理士試験で一番の人気税法です。
やはり、消費税は常に使うという意識が強いんでしょうね。
また、手頃なボリュームなのも人気の秘密かも知れません。

ちなみに、私は4回目の受験で合格しました。
私の中では、税理士試験で一番の鬼門でしたが、
一発合格の方も結構いますので人それぞれですかね。

■計算の学習方法

消費税の計算は大きく分けると、原則・簡易・国等の3パターンあります。
しかし、どれも課税の判定ができてこその問題です。
すなわち、消費税法では課税の判定を怠っては合格はあり得ないのです。

ですので、私は計算テキストNO.2までの項目を重視していました。
特にチェック問題は穴があくほど解いたと思います。

総合問題は仮計算表に留め、課税の判定を間違ったところがあれば、
それを1つずつ潰すような学習方法を採用していました。
お陰で、計算パターンは最後まで組めませんでしたが・・・^^;

ひとまず、計算パターンが組めないのは問題ですので、そこは私を反面教師として、
仮計算表で止める場合も苦手な計算パターンだけは書くようにしてみて下さい。

余談ですが、私は本試験で計算パターンがわからず、自己流のパターンを組みまし
たが、試験には無事に合格できました。
計算パターンは内容がわかれば問題ないと思います。

さて、そんな消費税法の計算ですが、学習していたのはこんな感じでした。

・授業 ⇒ 1年目に半分くらい出席。2年目からは資料のみ
・テキスト ⇒ 調整対象固定資産・簡易・国等・合併中間を重点的に
・チェック(ワーク)NO.1.2 ⇒ 永遠
・その他の個別問題 ⇒ 基本的な例題が解けるまで(パターン覚えず・・・)
・定例試験 ⇒ 無視
・実力判定模試 ⇒ 仮計ベースで2周程度
・過去問 ⇒ 仮計ベースで1周
・直前模試 ⇒ 仮計ベースで3周

以前の記事でも書きましたが、簡易・国等のいずれかを切るのはやめた方がいいです。
どちらも原則ができれば大した話ではありませんので、押さえておくべきでしょう。
切ったところが出たら1年間がパーになります。

実は、私も国等を切って受験したところ、国等が出て・・・でした。
理論は書けただけに、あの悔しさといったらなかったですね。
そんな思いを味わうことがないよう、簡易・国等もやっておきましょう。

消費税法の計算のポイントは、

・課税の判定を完璧に
・仮計を作る
・簡易、国等は切らない

でしょうか。
消費税の計算は実務でも多用しますので、勉強しておいて損は何もありませんよ!

■理論の学習方法

消費税法の理論は大きく分けますと次の通りです。

・納税義務者
・税額控除
・申告関係
・その他

かなりザクッとした区分けですが、区分ごとに覚えていくと、
相関性が高まりますのでおススメです。

消費税法の応用理論は結構規定と規定を行き来するものもありますが、
基本的にはこの区分で出題されることが多いですね。
まぁ、その他多過ぎない?って話にはなりますが。。。

私は、6月くらいから1週間で1周するようにしていました。
理論の題数は40題と少しですので、1日5題程度ですかね。
その際は、区分ごとにやっていくのがおススメです。

今日は納税義務者をやったから明日は税額控除・・・

といった感じでやっていました。
その他は何となく似たようなものをまとめていました。

また、覚える題数ですが、当然全部です。
消費税法程度を全部覚えられないようでは、法人税法は立ちうちできません。

40題程度ですので、2~3ヶ月もあれば大体覚えられると思います。
あとは回転させるだけですので、最初だけ気合いを入れたいですね。

■消費税法の学習時間

・授業 ⇒ 60時間
・計算 ⇒ 150時間
・理論 ⇒ 400時間

合計610時間というところでしょうか。
4回受験した割にはあまり勉強していない気が・・・

実際、2年目以降は理論は5月、計算は7月頃から始めていたので、
あまり勉強はしていませんでした(初年度は頑張りましたが)。
ですので、合格ラインに達するまでの時間数は300時間程度でしょうか。

理論さえ覚えられれば計算は何とかなります。
これはプチ税法全体に言えることですが、計算の量が少ない場合は、
理論を重点的にやっていくのがいいと思いますよ。

参考)
税理士試験消費税法の学習方法&必勝(!?)法
税法暗記の決定版!?官報に載る暗記術 税法暗記の決定版!?官報に載る暗記術
税理士官報合格者による税理士試験攻略法 税理士官報合格者による税理士試験攻略法
簿財に苦戦するようじゃ税法は無理!は本当か? 簿財に苦戦するようじゃ税法は無理!は本当か?
税理士試験関係記事一覧 税理士試験関係記事一覧

 

2013年12月12日(木)|税理士試験

引出金の決算整理仕訳問題

簿記の上達方法はなんといっても「問題を解くこと」です。
問題を解いた分だけ理解度も上がりますので、ぜひ解いて下さいね。
ただし、闇雲に解くのではなく、

内容を理解してから解く

ことを忘れないで下さい。
ですので、内容を理解していない場合には、前回の記事を確認してから解いて下さいね。

~問題~
引出金3,000について決算整理を行う。

・借方残の場合

・貸方残の場合

~解答~
引出金3,000について決算整理を行う。

・借方残の場合

(資本金)3,000  (引出金)3,000

・貸方残の場合

(引出金)3,000  (資本金)3,000

引出金の決算整理は、次の手順で行います。

1.引出金の残高をひっくり返す
2.相手勘定に資本金

現金過不足の決算整理と同じイメージですね。
借方残でも貸方残でも、「資本金」を相手勘定にすればOKです。

2013年12月08日(日)|仕訳問題

引出金の決算整理では資本金勘定が相手勘定となります

今回は「引出金の決算整理」についてです。

1.引出金の概要

引出金(ひきだしきん)という勘定を覚えていらっしゃいますでしょうか。
引出金は、店主がお店のお金を個人的に使ったり預けたりした場合に使用する勘定です。

店主がお店のお金を個人的に異動させた場合、本来であれば元入金の増減になります。
しかし、元入金(=資本金)というのは「維持すべき最低資本」として定義されています。
これを期中にコロコロと変えるのはあまりよろしくないですよね。

※なお、3級で学習する個人商店とは違い、一般の会社では、資本金を増減させる場合、
「増資(ぞうし)」「減資(げんし)」といい、簡単に増減させることはできません。

そこで、期中に店主が個人的に使用したものは「引出金」勘定を使用して経理しました。
引出金勘定は「とりあえず」の勘定科目です。

期末に引出金が残っていた場合には、「とりあえず」の勘定が翌期に繰り越されてしま
うことになります。これを回避するために、決算整理を行います。

決算整理の際は、「とりあえず」を本来の仕訳に戻す仕訳を行います。
つまり、資本金勘定を増減させることになります。

なお、実務では「店主勘定」とか「事業主勘定」といったものを使用することがあります。
どちらも、意味は引出金と全く同じです。

2.引出金の決算整理

例)
決算にあたり、引出金1,000(借方残)につき決算整理を行う。

(資本金)1,000  (引出金)1,000

引出金が借方に1,000ありますので、これを全てひっくり返します。
そして、相手勘定には資本金を使用して終了となります。

3.おわりに

今回は「引出金の決算整理」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
引出金は基本的に3級でしか使用しない勘定です。
あまり重要ではないですが、試験に出ることもありますので、覚えておいて下さいね。

2013年12月05日(木)|日商3級の内容及び解説

簿財に苦戦するようじゃ税法は無理!は本当か?

税理士試験の受験生は口を揃えてこう言います。

「簿財はいけても税法はキツい」

これ、何でなんでしょうね。
ちなみに、私は別にそうは感じませんでした。
たしかに法人税法の量は凄まじかったですが・・・

こう言われる原因は恐らく理論だと思います。
税法は、理論集一冊を基本的に丸暗記します。
これがキツくてヤメてしまう方も多いとか・・・

ただ、個人的には財務諸表論の理論の方がキツかったです。
税法はある程度話に流れがあるんですが、財務諸表論は個別
理論をずっと覚え続けるので流れが感じられないんですね。

もちろん、財務諸表論は一語一句ではないので、そういった意味
では楽ですが、暗記量を考えますと法人税法クラスだと思います。

ということで、簿財を勝ち上がった戦士達が、口を揃えて税法は
キツいと言っているのが個人的にはよく理解できません。
もちろん、

■簿財をクリアした人達の中で戦うからレベルが高い

ということも考えられないことはないと思います。
しかし、働きアリだけを集めると何割かは働かなくなるのと同じで、
結果としてレベルというのはそんなに変わらないのかなと思います。

事実、プチ税法では初学者がポンポン受かっていたりします。
それも1月開講とかの速習クラスで。

ですので、特に税法だから簿財より大変という話でもないでしょう。
となると、これが原因かなと。

■モチベーションダウン

大体、最初は簿財を受けます。
最初ですので、モチベーションはかなり高いですよね。
そして簿財に合格。

・でも、まだ3科目(法人所得含む・・・)もある・・・
・一字一句の暗記はキツい・・・
・何でみんなこんなにできるんだろう・・・

と言ったような現象が起きてしまい、モチベーションが下がっていきます。
事実、私もかなりモチベーションが下がった時期がありました。

そうすると、何かのせいにしたくなるのが人の性ですので、
結局ところ、「税法はキツい」みたいな話になるのかなと思います。

たしかに税法はキツいですけど、簿財だって十分キツいです。
特殊商品売買とか全く解けなかった頃の記憶が蘇ってきませんか?

・簿記論よりも難しい計算問題を出す税法はありません
・税務諸表論の理論は法人税法に匹敵します

つまり、簿財クリアの力があれば税法クリアの力は備わっています。
キツいのは当然ですが、それを理由に逃げてはダメなんですね。
キツさを楽しむ位の気持ちで、税法に挑んでみてはいかがでしょうか。

2013年12月03日(火)|税理士試験

税理士試験法人税法の学習方法と学習時間など

法人税法は、全ての税理士受験生が鬼門とする選択必修税法です。
私も、最初は「こんなに覚えられるわけがない・・・」と泣きを入れました。
ただ、これをクリアしないと税理士にはなれませんので、やるしかないですよね。

結構、壮絶な学習時間を要しましたので、覚悟して読んで下さい(笑)

■計算の学習方法

簿記論と同じ方法でやりました。
具体的には、

・個別問題は簡単なものだけ
・個別ができたら後は総合問題

個別問題の量があり過ぎますので、これをやるだけでパンクしてしまいます。
そこで、基本的な計算パターン(かなり省略したもの)を覚えて、例題を解き、
それができたらOKというような学習方法を採用しました。

総合問題は、

・定例試験 ⇒ 満点取れるまで
・実力判定模試 ⇒ 満点取れるまで
・過去問 ⇒ 80%以上取れるまで
・上級模試、直前模試 ⇒ 平均点+10点以上取れるまで

外販の総合計算問題集には手を付けませんでした。
そんなのをやってるヒマがあったら理論をやるよ・・・みたいな感じでしたね。

とりあえず、この学習方法で、模試では計算の平均点+5は取れていました。
私は理論で勝負するタイプだったので、計算は最悪平均点で良いと思ってい
ましたのでこの程度でしたが、計算勝負型の方はもう少しやるべきでしょう。

ただ、難し過ぎる受配・納充・償却と言った計算に時間を掛けても、本試験
ではそこまで難しいものが出ないので時間が勿体ないかなとは思います。

■理論の学習方法

以前の記事でも書きましたが、とにかく1行ずつ覚えていくしかありません。
ただ、似たような規定についてはまとめて覚えるように意識していました。
たとえば、

・減価償却と繰延資産
・有価証券と棚卸資産
・各種圧縮
・各種特別償却、税額控除
・組織再編関係

などは、結構似通った理論ですのでまとめて覚えていました。
特に圧縮は違う点だけを覚えればいいので、結構楽ですよね。

また、理論が多すぎるので全体感がわからなくなってしまうことが多くあり
ましたので、応用理論を常に解くようにしていました。
法人税法は、応用理論をやることで理解度がグンと高まると思います。

私が受講していた時の先生がとても熱心な方で、毎回のミニテストで
応用問題を作ってきてくれていたのが大きかったですね。
ベタ書きのミニテストなんて何の意味もないですから・・・

初学の方などで応用理論テキストをお持ちでない方は、外販の問題集を
必ず購入して応用理論を常に解くのがいいと思います。

1つ理論を覚えたら、それに関わる応用理論を解く

ということを繰り返すことで、どんどん理論が頭に入ってきますよ。

ちなみに、これも前に書きましたが、覚える理論は全てです。
1つたりとも削ってはいけません。私は、当時理論サブノートが75題位
だったのですが、これに15題ほど付け足して受験しました。

そうしたら、その15題から出題されて、楽々合格することができました。
人より1題でも多く覚えるという気持ちが強かったからこその幸運だった
と思いますね。

■法人税法の学習時間

・授業 ⇒ 300時間
・計算 ⇒ 300時間
・理論 ⇒ 600時間

合計1,200時間というところでしょうか。
簿記論・財務諸表論の合計時間数に匹敵しますね^^;

ただ、これだけやっていれば模試等でも常に上位10%には入れると思います。
実際、私は上位5%以内には常に入っていました。
したがって、ここまでやっておけばもう合格は目の前!ということになりますね。

コツとしては、

計算はあまり時間を使わず、理論はじっくり・・・

でしょうか。
計算はどうしても解けない問題が結構出たりしますが、理論は基本的に書けます。
よって、計算に力を入れるよりも理論に力を入れた方がいいのかなと思います。

最近は、計算で取り扱いについて答えさせる問題もありますので、
そういった意味でも、理論重視の学習方法が良いのではないでしょうか。

参考)
税理士試験法人税法の学習方法&必勝(!?)法
税法暗記の決定版!?官報に載る暗記術 税法暗記の決定版!?官報に載る暗記術
税理士官報合格者による税理士試験攻略法 税理士官報合格者による税理士試験攻略法
簿財に苦戦するようじゃ税法は無理!は本当か? 簿財に苦戦するようじゃ税法は無理!は本当か?
税理士試験関係記事一覧 税理士試験関係記事一覧

2013年12月01日(日)|税理士試験

サイト内検索はこちらからどうぞ

カテゴリー

  • コラム
  • ブログのコンセプト
  • 仕訳問題
  • 仮勘定
  • 会計や税務のお話
  • 掛取引とは
  • 日商3級の内容及び解説
  • 税理士試験
  • 簿記と会計学
  • 簿記の基礎の基礎
  • 簿記テクニック
  • 簿記検定の概要
  • 自己紹介
  • 負債関係
  • 費用
  • 資産関係

タグ

一部現金取引 簿記 一部現金取引 日商3級 修正仕訳 簿記 修正仕訳 日商3級 債券の売却 簿記 債券の売却 日商3級 先入先出法 簿記 先入先出法 日商3級 商品 決算整理 仕訳 商品 決算整理 簿記 商品 決算整理 日商3級 固定資産 簿記 固定資産 日商3級 売上原価 決算整理 簿記 売上原価 決算整理 日商3級 売買目的有価証券 簿記 売買目的有価証券 日商3級 小口現金 仕訳 引出金 決算整理 簿記 引出金 決算整理 日商3級 日商簿記 概要 日商簿記検定 概要 日商簿記検定 試験科目 日商3級 合格 有価証券の売却 簿記 有価証券の売却 日商3級 移動平均法 簿記 移動平均法 日商3級 税理士 会計士 税理士 会計士 どちらが上か 税理士試験 公認会計士試験 税理士試験 短期合格 簿記 仕訳 簿記 仕訳 やり方 簿記 仕訳 簡単 簿記 会計学 簿記 勉強の仕方 簿記 概要 簿記とは 簿記と会計学 簿記検定 合格 簿記検定 解説 簿記3級 決算整理 5伝票制 簿記 5伝票制 日商3級

アーカイブ

  • 2015年3月 (1)
  • 2014年12月 (1)
  • 2014年11月 (1)
  • 2014年8月 (1)
  • 2014年1月 (5)
  • 2013年12月 (10)
  • 2013年11月 (10)
  • 2013年10月 (9)
  • 2013年9月 (5)
  • 2013年8月 (8)
  • 2013年7月 (10)
  • 2013年6月 (12)
  • 2013年5月 (14)
  • 2013年4月 (14)
  • 2013年3月 (20)
  • 2013年2月 (7)

最近の投稿

  • 税理士試験官報合格者の特徴は理論暗記にあった?
  • 平成26年度(第64回)税理士試験の結果について思うこと
  • 税理士試験の結果発表が近づいてきました
  • 平成26年度税理士試験が終わって
  • 【仕訳問題】貸倒引当金の決算整理

メタ情報

  • 登録
  • ログイン
  1. 簿記検定に合格して会計人になろう
  2. 2013年12月の記事一覧

簿記検定に合格して会計人になろう

元簿記講師の税理士KENが伝える簿記の学習メソッドや簿記活用術
  • 日商3級の内容及び解説
  • 仕訳問題
  • 税理士試験
  • サイトマップ

アーカイブ

  • 2015年3月
  • 2014年12月
  • 2014年11月
  • 2014年8月
  • 2014年1月
  • 2013年12月
  • 2013年11月
  • 2013年10月
  • 2013年9月
  • 2013年8月
  • 2013年7月
  • 2013年6月
  • 2013年5月
  • 2013年4月
  • 2013年3月
  • 2013年2月

メタ情報

  • 登録
  • ログイン
  • 投稿の RSS
  • コメントの RSS
  • WordPress.org

最近の投稿

  • 税理士試験官報合格者の特徴は理論暗記にあった?
  • 平成26年度(第64回)税理士試験の結果について思うこと
  • 税理士試験の結果発表が近づいてきました
  • 平成26年度税理士試験が終わって
  • 【仕訳問題】貸倒引当金の決算整理

経理実務でお悩みの場合はコチラ
勘定科目大百科


アンチエイジング興味あり

Copyright ©2023 簿記検定に合格して会計人になろう All Rights Reserved.

[↑]このページの先頭へ