1.財務諸表論の概要

財務諸表論は、簿記論と並び税理士試験の必修科目です。
何科目受かっていても、財務諸表論に合格しなければ税理士にはなれません。

そんな財務諸表論の学習範囲は非常に多岐に渡ります。
恐らく、ボリュームだけで言えば税理士試験で一番多いと思います。

その理由は「理論」です。
財務諸表論は簿記論とは違い、計算だけではなく理論があります。

財務諸表論の理論は、簡単に言うと「簿記の理屈」です。
なぜ簿記でこのような処理をするのかということを学習するんですね。
ですので、財務諸表論を学習すると簿記の理解が非常に深まります。

ですが、簿記の理屈全般を学習するので非常にボリュームが多くなります。
専門学校のテキストだけでも、500ページ近くありました。
これに計算がプラスされますので、そのボリュームは測り知れませんよね^^;
ただ、計算の方は範囲こそ簿記論と同じ(実質無制限)なのですが、
問題のレベル自体は簿記論ほど難しいものではありません
その代わり、「表示」のテクニックを求められます。

財務諸表論の計算では、貸借対照表・損益計算書を作っていきます。
ほぼ白紙の紙に、勘定科目・金額を入れていくのは相当な苦労を要します。

なお、キャッシュ・フロー計算書や製造原価報告書を作成することもあります。
あくまで、学習内容はほぼ無制限ですので、何でもありです。
ただ、簿記論の学習をしていればそこまで苦労するものではありません。
財務諸表論と簿記論は相関性が高いんですね。
ですので、税理士試験業界では「簿財(ぼざい)」などと一括りにされて呼ばれたりもします。

また、財務諸表論は簿記論と並び合格率が高いことでも有名です。
恐らく平均の合格率であれば、税理士試験で一番高いのではないでしょうか。
概ね、15%~20%が毎年合格しています。

ちゃんと学習しておけば、ちゃんと合格する科目だと思います。

 

 

2.財務諸表論の学習方法

財務諸表論には理論がありますので、理論と計算を分けて解説します。

■計算

簿記論を学習されている方であれば、個々の論点を学習する必要はありません。
必要なことは全て簿記論で学習できます。

簿記論の学習をされていない場合は、一からやって行かなければなりません。
相当な分量ですので、計算だけでもアップアップになってしまう可能性も否めません。
しかし、当然ですが簿記論の学習にも生きますので、やるしかないですね。

個々の論点がある程度わかるようになってきたら、どんどん総合問題を解きます
総合問題では必ずと言っていいほど「注記」がありますので、
ここで注記の仕方をしっかりとマスターしておきましょう。

財務諸表論は注記が全てと言っても過言ではないと私は思います。

■理論

財務諸表論の理論は膨大な量がありますので、いっぺんに全部覚えるのは不可能です。
ですので、最初は概要を掴んでいくような学習方法が良いと思います。

イメージとしては、

・会計公準や一般原則などの基礎的なもの
・BS、PL総論

にまずは目を通し、これらがある程度進んできたら、BS・PL各論に入るのがいいと思います。
いきなり各論に入ってしまうと、木を見て森を見ずになってしまう可能性が高いので、おススメしません。

細かいところは専門学校の授業ペースくらいにしておいて、
上記の基礎的なものとBS・PL総論を中心に理解を進めていきましょう。

最終的には、ほとんど暗記することになってしまうかと思いますが、
最初のうちは暗記よりも「理解」を中心に学習されることをおススメします。

 

3.財務諸表論の必勝法

■計算

財務諸表論の計算については、とにかく総合問題を解くのが大事です。
そして、解きながら注記の仕方を覚えていきましょう。
また、私は大原でしたので、

仮計算表を使用

していました。
仮計算表は、TBをいったん全て計算用紙に書き込みます。
そこからスタートして、修正を書きこんだTBに付け足していきます。

私は、注記も仮計算表に書いていました。
最後、20分前くらいから仮計算表の数値を答案用紙に写していきます。
最初、TBを作るのに約10分、写すのに約15分かかりますので、25分近くを仮計算表に費やすことになります。

時間が結構掛かってしまうので嫌う方もいるようですが、
個人的にはケアレスミスを無くすためには仮計算表が一番だと思います
早く解くよりも正確に解くことにフォーカスした手法ですね。

ただ、私は仮計算表を書いていましたが、書ききれなかったことはありませんでした。
普通のスピードがあれば、特に時間が足りなくなるようデメリットはないと思います。

■理論

財務諸表論の理論は、結局のところ会計公準や一般原則などの基礎的なところに落ち着きます
ですので、この辺りの論点をしっかりと頭で理解するのがいいと思います。

例えば、なぜ引当金を計上する必要があるのか?
という問題については、

・保守主義の観点から・・・
・期間損益計算の適正化のため・・・

と言ったように、基礎的な論点だけ知っていれば解答できることになります。
これが通じない論点も若干はありますが、基本的には全て答えられると私は思っています。
ミクロで聞かれたら使えないですが、マクロで聞かれた場合には非常に有用です。

財務諸表論の理論攻略は基礎にあり!

と覚えておきましょう。

■時間配分

理論:60分
計算:60分

解く順番:理論⇒計算

計算は60分、しっかりと取っておきましょう。
これ以下の時間しかありませんと焦ってしまいます。

特に仮計算表を書いている場合は転記ミスなどの
もったいないミスが発生する確率が高くなりますので、
時間にはある程度ゆとりを持っておいて下さい。

また、計算が2題形式の場合がありますが、その場合は2問目を先に解くのがいいと思います。
大体、2問目の方が量も少なく難易度も低いので、点数稼ぎですね。

なお、計算は時間が一瞬で過ぎ去りますので、
理論より先に解いてしまうと60分以上使ってしまう可能性が高くなります。
ですので、先に理論を固めておくことをおススメします。

 

合格時の自己採点と専門学校予想

理論:30点
計算:27点
合計:57点

専門学校

ボーダーライン:55点
合格確実ライン:67点

ボーダーラインギリギリでしたので、苦しいかと思っていました。
理論はかなり厳し目の自己採点でしたので、実際はもう少し取れていたのかも知れません。
そうすると60点ちょっとということで、合格してもおかしくなかったのかなと。

この回の財務諸表論は合格率が17%と比較的高い合格率でしたので、
そこに救われた可能性も否定できません。
どちらにせよ、二度とやりたくない科目でしたので、良かったです。

参考)
税理士試験財務諸表論の学習方法と学習時間など
税法暗記の決定版!?官報に載る暗記術
税理士官報合格者による税理士試験攻略法
簿財に苦戦するようじゃ税法は無理!は本当か?
税理士試験関係記事一覧