こんにちは、KENです。
今回は「商品の決算整理」についてです。
1.概要
商品の期中処理では、分記法と三分法とがありました。
それぞれの処理は次の通りです。
(1)分記法
購入時・販売時は「商品」勘定を使用します。
また、販売時には「商品販売益」勘定を使用します。
売った都度、利益を計算するのが特徴です。
(2)三分法
購入時は「仕入」勘定、販売時は「売上」勘定を使用します。
分記法と比べて、期中の処理はとても簡単です。
このように処理をしてきましたが、決算では次のように処理を行います。
・売れ残り分
来期以降に売るもの(売ればお金になるもの)として、資産に計上
・当期販売分
当期の費用(売上原価と言います)として、費用に計上。
そうしますと、分記法では決算整理は必要ないということがわかります。
なぜならば、分記法はまず商品を購入した時点で資産計上し、
販売した時点で資産の減少と商品販売益という収益を計上するからです。
分記法は期中処理は面倒ですが、決算では何もしなくていいという利点があります。
次に三分法ですが、こちらは全て「収益・費用」で計上しているため、
資産(売れ残り分)を把握することができません。
したがって、決算整理により当期の売れ残り分を資産計上する必要が出てきます。
前回学習した消耗品のところで、期中に消耗品費勘定で処理した場合に似ていますね。
全部費用になってしまっているので、未使用分を資産に振替えましょうというものです。
三分法では仕入として費用にしてしまっているので、未販売分を資産に振替えます。
この売れ残り商品を計上する資産科目は「繰越商品」勘定を使用します。
商品勘定ではなく、繰越商品勘定になりますので間違えないようにして下さい。
三分法は、「仕入」「売上」「繰越商品」の3つに分けて記帳をすることから、三分法と呼ばれているんですね。
2.売れ残り分の取扱い
売れ残った商品は翌期に繰り越すこととなります。
しかし、これだけで決算整理は終わりではありません。
なぜならば、
前期の売れ残り分
があるからです。
前期末に売れ残り分として当期に繰り越された商品は、当期において販売することができます。
つまり、
前期の売れ残り分+当期の仕入分=当期に売ることができる商品
となります。
そして、
当期に売ることができる商品-当期の売れ残り分=当期に販売した商品
となります。
簡単な例で確認しましょう。
例)
前期繰越商品:100個
当期仕入商品:800個
翌期繰越商品:130個
当期に売ることができる商品=100+800=900個
当期に販売した商品=900-130=770個
となります。
そうしますと、次のようになります。
資産(売れ残り分)=130個
費用(当期販売分)=770個
この個数に単価を乗じれば、当期の資産・費用が判明します。
単価も含めた計算は次回やりますので、今回はここまでしっかりと覚えておきましょう。
3.おわりに
今回は「商品の決算整理」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
商品の決算整理は、
売れた分は費用、売れ残った分は資産
となるような仕訳をすることになります。
消耗品のところで学習した、使用分=費用、未使用分=資産と考え方は全く同じです。
簿記の基本的な考え方ですので、前回の復習も合わせてしっかりマスターしましょう。