今回は「貸倒引当金の決算整理1」についてです。

1.貸倒引当金の概要

貸倒損失は突然やってくる訳ではなく、「あの会社あぶないかも・・・」
といったようにある程度の兆候が見られるのが普通です。

この状態で、何もしないのではなく、「貸倒れる可能性」を見積ります。
そして、その見積もった分は「費用」として先に計上します。

このように、将来の費用又は損失を先に費用処理することを

「引当(ひきあて)」

といいます。
引当は、会計では切っても切れないテクニックになります。

なお、引当の計上基準は次の4つを全て満たすことが要件となります。

・将来の特定の費用又は損失であること
・費用又は損失の発生の可能性が高いこと
・費用又は損失が当期以前の事象に起因すること
・費用又は損失の金額を合理的に見積もることができること

貸倒れに係る引当金は「貸倒引当金」といい、次の方法により引当額を計算します。

貸倒れが見込まれる債権の合計額×設定率

設定率は、将来貸倒れるだろうと予想される率を指します。

算定方法は、過去の貸倒れ実績から求める方法によりますが、
こちらの計算については3級・2級では学習しません。
3級・2級では設定率が「必ず」与えられますので、それを利用すればOKです。

なお、貸倒れが見込まれる債権は、通常、「受取手形」「売掛金」になります。
これらの価額の合計額に設定率を乗じて貸倒引当金を設定することになります。

また、引当金には「負債性引当金」と「評価性引当金」の2種類があります。
負債性引当金は、将来の賞与の引当などが代表的なものです。
評価性引当金は、貸倒引当金「のみ」となっています。

負債性引当金は負債として認識されますが、
評価性引当金は、資産の控除項目として、次のように表示されます。

Ex)売掛金1,000・貸倒引当金50の場合

売掛金   1,000
貸倒引当金 △50

貸倒引当金は、資産・負債・資本・収益・費用のどれでもなく、
資産の控除項目という例外的な取扱いなんですね。
評価性引当金は貸倒引当金のみですので、例外としてこれだけ覚えてしまって下さい。

2.貸倒引当金の処理

例)
受取手形及び売掛金の期末残高に対して5%の貸倒引当金を設定する。
なお、受取手形の残高は1,000、売掛金の残高は5,000である。

(貸倒引当金繰入)300  (貸倒引当金)300

受取手形と売掛金の残高(1,000+5,000=6,000)に対して5%の貸倒引当金を設定します。
6,000×5%=300ですので、300を費用として計上します。
この際の費用科目は「貸倒引当金繰入(くりいれ)」という費用勘定になります。

引当金を設定する場合、基本的にこの「繰入」という言葉を使用しますので、
この機会に覚えておいて下さいね。

3.おわりに

今回は「貸倒引当金の決算整理1」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
貸倒引当金はこういったものなんだなということを覚えておいて下さい。