商品 決算整理 簿記の記事一覧

商品の決算整理仕訳問題

こんにちは、KENです。

簿記の上達方法はなんといっても「問題を解くこと」です。
問題を解いた分だけ理解度も上がりますので、ぜひ解いて下さいね。
ただし、闇雲に解くのではなく、

内容を理解してから解く

ことを忘れないで下さい。
ですので、内容を理解していない場合には、前回の記事を確認してから解いて下さいね。

~問題~

商品について決算整理仕訳を行う。

期首商品棚卸高:8,200
期末商品棚卸高:9,500
当期商品仕入高:38,300

~解答~

商品について決算整理仕訳を行う。

期首商品棚卸高:8,200
期末商品棚卸高:9,500
当期商品仕入高:38,300

(仕入)8,200   (繰越商品)8,200
(繰越商品)9,500 (仕入)9,500

「期首商品棚卸高=前期の売れ残り商品」
ですので、当期に売ることができる商品として仕入勘定に振替えます。
「し・くり」の仕訳ですね。

「期末商品棚卸高=当期の売れ残り商品」
ですので、当期に売ることができる商品の中から控除する仕訳をします。
「くり・し」の仕訳ですね。

そうしますと、次のようになります。

・決算整理前試算表

繰越商品勘定:8,200 (前期売れ残り)
仕入勘定:38,300 (当期商品仕入高)

・決算整理後試算表

繰越商品勘定:9,500 (当期売れ残り)
仕入勘定:38,300+8,200-9,500=37,000 (当期の売上原価)

決算整理「前」か「後」かで、繰越商品勘定も仕入勘定も意味が変わります。
「前」と「後」の意味を変える仕訳が「し・くり・くり・し」です。
しっかりと意味を覚えておきましょう。

2013年10月27日(日)|仕訳問題

商品の決算整理「しくりくりし」の意味は?

こんにちは、KENです。

今回は「商品の決算整理2」についてです。

1.期首商品の決算整理

期首の商品は、前期から繰り越されてきた商品で、
「当期に売ることができる商品」です。
当期に売った商品は当期の費用になりますので、次の仕訳を行います。

(仕入)××× (繰越商品)×××

前期から繰り越されてきた商品を当期に仕入れた形にする仕訳です。

仕入勘定は、決算整理前の時点では、
当期に仕入れた商品のみが計上されています。
これに、この仕訳を追加してあげることで、

前期の売れ残り分+当期の仕入分=当期に売ることができる商品

が仕入勘定の借方に計上されることになります。

2.期末商品の決算整理

期末の売れ残り商品は、「翌期に繰り越す商品」です。
当期に売ることができる商品(仕入勘定の借方)のうち、
売れ残った商品を繰り越します。

(繰越商品)××× (仕入)×××

当期に販売できる商品のうち売れ残り商品を、翌期に繰り越す仕訳です。

この仕訳を行うことで、仕入勘定の貸方に売れ残り商品が計上されます。
この仕訳を行うことで、

当期に売ることができる商品-売れ残り商品=売った商品

が仕入勘定の金額となります。
この金額は、当期に売った商品の仕入れた金額になります。
これを、簿記では「売上原価」と言います。

この決算整理仕訳により、仕入勘定は次のようになります。

・決算整理前

当期に仕入れた商品

・決算整理後

当期に仕入れた商品+前期の売れ残り-当期の売れ残り(=売上原価)

この違いをしっかりと把握しておいて下さいね。

3.覚え方

商品の決算整理仕訳は、前期からの繰越分と翌期への繰越分の仕訳です。
それを並べますと次のようになります。

(仕入)××× (繰越商品)×××
(繰越商品)××× (仕入)×××

簿記の世界では、この仕訳について有名な覚え方があります。
それは、

「し・くり・くり・し」

仕訳を左から読んでいきますと、

「しいれ・くりこししょうひん・しいれ・くりこししょうひん」

となりますので、これを省略して「し・くり・くり・し」です。
簿記をちょっとでもかじったことがあれば知ってる方は多いでしょう。

ただ、これを意味がわからず使っている方が多くいます。

し・くり=前期からの繰越分の振替
くり・し=売れ残り分の翌期への振替

このことをしっかりと理解してから、「し・くり・くり・し」を使いましょう。

4.おわりに

今回は「商品の決算整理2」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
「し・くり・くり・し」の意味をちゃんとわかって使うことがすごく大事です。
形だけ覚えても応用が利きませんからね。
大事な部分ですので、しっかりと覚えておきましょう。

2013年10月24日(木)|日商3級の内容及び解説

商品の決算整理は分記法より三分法が大事

こんにちは、KENです。

今回は「商品の決算整理」についてです。

1.概要

商品の期中処理では、分記法と三分法とがありました。
それぞれの処理は次の通りです。

(1)分記法

購入時・販売時は「商品」勘定を使用します。
また、販売時には「商品販売益」勘定を使用します。
売った都度、利益を計算するのが特徴です。

(2)三分法

購入時は「仕入」勘定、販売時は「売上」勘定を使用します。
分記法と比べて、期中の処理はとても簡単です。

このように処理をしてきましたが、決算では次のように処理を行います。

・売れ残り分

来期以降に売るもの(売ればお金になるもの)として、資産に計上

・当期販売分

当期の費用(売上原価と言います)として、費用に計上。

そうしますと、分記法では決算整理は必要ないということがわかります。
なぜならば、分記法はまず商品を購入した時点で資産計上し、
販売した時点で資産の減少と商品販売益という収益を計上するからです。

分記法は期中処理は面倒ですが、決算では何もしなくていいという利点があります。

次に三分法ですが、こちらは全て「収益・費用」で計上しているため、
資産(売れ残り分)を把握することができません。
したがって、決算整理により当期の売れ残り分を資産計上する必要が出てきます。

前回学習した消耗品のところで、期中に消耗品費勘定で処理した場合に似ていますね。
全部費用になってしまっているので、未使用分を資産に振替えましょうというものです。
三分法では仕入として費用にしてしまっているので、未販売分を資産に振替えます。

この売れ残り商品を計上する資産科目は「繰越商品」勘定を使用します。
商品勘定ではなく、繰越商品勘定になりますので間違えないようにして下さい。

三分法は、「仕入」「売上」「繰越商品」の3つに分けて記帳をすることから、三分法と呼ばれているんですね。

2.売れ残り分の取扱い

売れ残った商品は翌期に繰り越すこととなります。
しかし、これだけで決算整理は終わりではありません。

なぜならば、

前期の売れ残り分

があるからです。
前期末に売れ残り分として当期に繰り越された商品は、当期において販売することができます。

つまり、

前期の売れ残り分+当期の仕入分=当期に売ることができる商品

となります。
そして、

当期に売ることができる商品-当期の売れ残り分=当期に販売した商品

となります。
簡単な例で確認しましょう。

例)
前期繰越商品:100個
当期仕入商品:800個
翌期繰越商品:130個

当期に売ることができる商品=100+800=900個
当期に販売した商品=900-130=770個

となります。
そうしますと、次のようになります。

資産(売れ残り分)=130個
費用(当期販売分)=770個

この個数に単価を乗じれば、当期の資産・費用が判明します。
単価も含めた計算は次回やりますので、今回はここまでしっかりと覚えておきましょう。

3.おわりに

今回は「商品の決算整理」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
商品の決算整理は、

売れた分は費用、売れ残った分は資産

となるような仕訳をすることになります。
消耗品のところで学習した、使用分=費用、未使用分=資産と考え方は全く同じです。
簿記の基本的な考え方ですので、前回の復習も合わせてしっかりマスターしましょう。

 

2013年10月20日(日)|日商3級の内容及び解説

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