税理士試験は長くかかる試験と言われています。
実際、私も10年かけて官報合格しましたし、
周りを見回しても早い人で4~5年、平均では7~8年だと思います。
しかも、合格できればいい方で、ほとんどの方は途中で挫折してしまいます。
5科目合格すると言うのは、簡単そうに見えて、かなりいばらの道なんですね。
毎年、税理士試験は5万人近くが受験します。
そして、官報合格は1,000人程度。
単純計算をしますと、1,000÷5万×100=2%の合格率です。
ただ、途中で挫折してしまった方を含めると、
恐らく1%未満どころか0.5%とかその辺の確率になってしまうと思います。
そんな税理士試験ですので、チャレンジするのであれば、
対策をしてからチャレンジした方がいいのは言うまでもありません。
ここで、その対策方法をご紹介します。
■勉強の仕方
1.専門学校を使う
私は授業を受けることが苦で仕方がなかったので、基本的に授業は受けませんでした。
その代わり、テキストや練習問題、答練などを使って学習をしていました。
専門学校のカリキュラムは、スピードが遅い時もあれば早い時もありますので、
自分のペースで学習をすることができません。
であれば、資料だけはもらって、後は自分のペースで学習するのがいいと思います。
もちろん、授業を受けないとやらないという方や、授業があった方がいいという方は、
授業を受けても全く問題はありませんが、その際は、
授業は勉強じゃない
ということを認識して受講するようにしましょう。
授業を聞くと勉強をした気になってしまい、その後勉強しなかったりします。
そうではなくて、授業は勉強をするための起爆剤程度に考えておきましょう。
小テストのために理論を暗記する・・・
宿題をやるためにテキストを開く・・・
こういった好循環を得られるのであれば、授業を受けるべきだと思います。
逆に、得られないのであれば授業を受ける必要はないでしょう。
資料コースを申し込んで、わからないところだけ質問すればいいだけです。
2.計算は総合問題を中心に
計算問題については、個別問題はあまり解かなくていいと思います。
総合問題をやって、できなかったところだけ個別問題を解くようにしましょう。
総合問題をやることで、試験の全体像が見えてきます。
全体像をイメージしながら解いた方が、理解が早くなるんですね。
例えば、法人税法であれば、別表四・五を作成する問題を解くことで、
法人税法の体系がわかるようになってきます。
個別問題で納税充当金の難しい問題をいくら解いたところで、体系には気が付けません。
ある程度できるようになったら、個別問題は無視して総合問題を解きましょう。
ある程度のレベルは、
テキストの練習問題が解ける
程度のレベルでいいと思います。
不安であれば、計算問題集の簡単な問題を2~3題だけ解いてみて、
それができればOKみたいなルールを作っておきましょう。
また、総合問題は簡単な問題よりも難しい問題を解きたくなりますが、
簡単な問題を何度も何度も解いて、満点を取れるようにする方法をおススメします。
簡単な問題だろうと難しい問題であろうと、ルールは同じです。
であれば、完璧に解けた問題の数を増やしていった方が、ルールの理解が深まりと思われませんか?
難しい問題を解くのはただの自己満足で終わる可能性が高いです。
簡単な問題を完璧に取れれば、税理士試験では合格答案を作ることができます。
満点を取るのが目的ではなく、合格答案を作るのが目的ですので、
特に時間がない方は簡単な問題を繰り返し解くようにしましょう。
あと、満点とかそれに準ずる点数を取れる問題を解くことはそこまでストレスになりません。
逆に、難しい問題は解くだけでかなりのストレスになります。
長い試験ですので、ストレスはなるべく少なくしたいですよね。
ストレスがたまらず、理解力は上がる・・・
そんな理想的な学習方法だと思いますよ。
ぜひ、お試しください。
3.理論
理論については、どの科目で合っても「全部覚える」ことを心掛けましょう。
よく全体の50%程度しか覚えないで試験を受ける人がいますが、
それはただ単に「落ちに行く」だけの話だと思います。
また、偶然覚えている理論が出たとしても、50%しか覚えていない人は、
それ相応の実力しかありませんので、合格することは困難だと思います。
なぜならば、
全ての理論を覚えることで体系が見えてくる
のが理論というものだからです。
全部覚えている人は、50%しか覚えていない人より、
何倍も何十倍も深い理解をしていると思います。
1つの理論は、そこで完結するものではなく、その他の理論とリンクしていきます。
覚えていないということは、そのリンクがない状態であり、
リンクしていない状態で他の理論とリンクしても元ができていないからダメということになります。
個人的には、理論を全て覚えずに受験するのであれば、
受験の時間を暗記の時間に使った方がいいとすら思います。
人それぞれでしょうが、その位、理論は大切なものだと考えています。
理論暗記は皆が嫌がることです。
逆に言いますと、皆が嫌がるからこそ頑張るのがいいと思います。
税理士試験は競争試験ですので、自分がどんなにいい点数を取っても、
周りがもっといい点数を取っていたら落ちてしまいます。
他の受験生に差を付けるためにも、理論暗記はしっかりとやるべきだと思います。
理論暗記の方法につきましては、以下の記事をご参照ください。
4.全体的に
計算であれ理論であれ、あまり個別にこだわるのはよろしくないと思います。
規定どうしの繋がりを常に頭に入れながら勉強するのがいいでしょう。
木を見て森を見ず
な勉強にならないようにしたいですね。
むしろ、森を見て木を見ずな学習方法でいいと思います。
5.勉強時間
1日10分でもいいので、とにかく毎日やるようにしましょう。
どんなに忙しい日でも10分であれば時間は取れます。
とにかく、毎日やることを心掛けましょう。
ちなみに、私は大体、毎年ゴールデンウイーク明け位からエンジンを掛け始め、
7月になって焦って勉強するというスタンスでした。
ですので、合格まで10年かかってしまいましたが、
これを1月とかから始めていれば5年位で合格できたのでは?と思います。
9月から始めていたら、3年で受かるのも夢ではないでしょう。
基本的には、税理士試験は努力した人が合格する試験です。
あまり才能とかは関係ないと思います。
毎日、そして効率良く学習することで、短期合格が狙えると思いますよ。
いばらの道ですが、ゴールした時の爽快感は半端じゃありません。
ぜひ、この喜びを味わってもらいたいと切に願います。
頑張りましょう!!