簿記3級 決算整理の記事一覧

消耗品の決算整理は使用分・未使用分を把握すれば簡単

こんにちは、KENです。

今回は「消耗品の決算整理」についてです。

1.概要

ボールペンや消しゴムなどの文房具やティッシュなどの消耗品を購入した場合、
次のように取り扱います。

・使用したもの → 費用
・使用していないもの → 資産

ポイントは、使ったかどうかです。
使ったのであれば費用、使ってないのであれば資産となります。

この際に使用する勘定科目は、

・消耗品「費」勘定(費用)
・消耗品勘定(資産)

となります。
使った場合は「ヒンピ」、使っていない場合は「ヒン」と覚えると覚えやすいですよ。

消耗品の期中処理は、購入時に消耗品費勘定で計上する方法と、
消耗品勘定に計上する方法の2つがあります。

期中は、買った瞬間に「消耗品費」か「消耗品」として
処理すればいいので簡単なのですが、決算ではこれを、

「使ったもの=消耗品費」
「使ってないもの=消耗品」

として処理しなければいけません。

今回はその両方とも確認していきます。

2.消耗品の決算整理

消耗品の決算整理では、先に述べましたように「使ったもの=消耗品費」、
「使ってないもの=消耗品」として処理をします。

この際に、期中の処理が消耗品費を使用したのか消耗品を使用したのかで異なりますが、
答えは同じですので、まずは基本的な考え方を覚えておいて下さいね。

例)
期中に購入した消耗品3,000の未使用残高は1,200であった。
決算整理をしなさい。

■期中に消耗品費勘定を使用した場合
■期中に消耗品勘定を使用した場合

この場合、次のように分けることができます。

・使ったもの → 3,000-1,200=1,800
・使ってないもの → 1,200

答えがこうなるように処理をすればいいだけです。

■期中に消耗品費勘定を使用した場合

(消耗品)1,200  (消耗品費)1,200

期中の処理は、

(消耗品費)3,000  (×××)3,000

ですので、現在は消耗品費が3,000、消耗品がゼロの状態です。
ここから使ったものと使ってないもので分けてあげればOKです。

・消耗品費(=1,800) 

現在、3,000計上されていますので、3,000-1,800で1,200多いです。
よって、1,200の消耗品費を貸方に仕訳します。

・消耗品(=1,200)

現在、全く計上されていませんので、1,200を借方に仕訳します。

・検算
消耗品費=3,000-1,200=1,800
消耗品1,200

■期中に消耗品勘定を使用した場合

(消耗品費)1,800  (消耗品)1,800

期中の処理は、

(消耗品)3,000  (×××)3,000

ですので、現在は消耗品が3,000、消耗品費がゼロの状態です。
ここから使ったものと使ってないもので分けてあげればOKです。

・消耗品(=1,200) 

現在、3,000計上されていますので、3,000-1,200で1,800多いです。
よって、1,800の消耗品を貸方に仕訳します。

・消耗品費(=1,800)

現在、全く計上されていませんので、1,800を借方に仕訳します。

・検算

消耗品=3,000-1,800=1,200
消耗品費=1,800

3.おわりに

今回は「消耗品の決算整理」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
消耗品を解くコツは「使ったものと使ってないものをわけること」に尽きます。
使っていれば消耗品費、使っていなければ消耗品で処理すればOKです。

2013年10月13日(日)|日商3級の内容及び解説

現金過不足の決算整理は仕訳の順番に注意

こんにちは、KENです。

今回は「現金過不足の決算整理」についてです。

1.概要

現金過不足の処理は覚えていらっしゃいますでしょうか。
期中に、現金の実際残高と帳簿残高が一致しない場合において、
その原因がわからないときは「現金過不足」として処理をしました。

例)
現金の実際残は1,000、帳簿残高は800であり、差額の原因は不明

(現金)200  (現金過不足)200

実際残と帳簿残では、当然ですが実際残が正しくなります。
この差額の原因が不明の場合には、ひとまず現金過不足(仮勘定)を使って処理します。

原因が判明すれば問題ありませんが、判明しない場合は現金過不足が残ってしまいます。
現金過不足は仮勘定ですので、翌期に繰り越すことはできません。
したがって、決算において現金過不足が残っている場合、これを取り消す処理をします。

処理の仕方は次の通りです。

・借方残の場合

(雑損)××× (現金過不足)×××

・貸方残の場合

(現金過不足)××× (雑収)×××

仕訳をする際には、次の順番で行いましょう。

(1)現金過不足をひっくり返す
(2)空いているのが借方であれば「雑損」、貸方であれば「雑収」

この順番通りに仕訳を切れば、間違えることはありません。
必ず、順番を守りましょう。

2.現金過不足の決算整理

上記の概要でお話した通りに仕訳を行えば何ら問題はありません。
たまにトリッキーな問題もありますので、ここではそれを紹介しましょう。

例)
決算にあたり現金過不足3,000(借方)につき調査を行ったところ、次のことが判明した。
決算整理仕訳をしなさい。

・買掛金3,000を現金で決済したが記帳漏れだった
・保険料300を現金で支払っていたが記帳漏れだった
・当座預金から支払った手数料500につき、次の仕訳をしていた

(支払手数料)500  (現金)500

・残額については、原因が判明しなかった

(買掛金)3,000  (現金過不足)3,000
(保険料)300   (当座預金)500
(雑損)200

現金過不足の決算整理では、現金の仕訳はしません。
なぜなら、現金過不足の仕訳をした時点で、
強制的に現金は動かしているからです。

そうすると、現金以外の仕訳をすればOKということになります。

この問題では、まず現金過不足をひっくり返し、
それから買掛金の決済と保険料の支払い、そして当座預金の振替をします。
そして、差額が借方であれば雑損、貸方であれば雑収となります。

仕訳の順番としては、次のようになります。

(1)現金過不足をひっくり返す
(2)記帳漏れ及び誤記帳のうち現金以外の部分を仕訳
(3)差額が借方であれば「雑損」、貸方であれば「雑収」
(4)貸借の一致を確認する

仕訳の順番を守れば問題ありませんね。

3.おわりに

今回は「現金過不足の決算整理」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
現金過不足は、期中仕訳も決算整理も「仕訳の順番」が最も重要です。

これさえ守れば、間違えることはありません。
逆に、守らないと結構貸借を逆にする方がいます。
ぜひ、順番を守って仕訳するようにして下さいね。

 

2013年10月06日(日)|日商3級の内容及び解説

決算整理こそ簿記の醍醐味です

こんにちは、KENです。

今回は「決算整理の概要」についてです。

1.決算整理の概要

会計期間を大きく分けますと、次のようになります。

・期首
・期中
・期末(決算)

期首については、「開始仕訳」というものをします。
前期から繰り越されてきたものを処理します。

期中は、今まで見てきた通常の仕訳をします。

そして、期末ですが、まずは前回やりました前T/Bを作成します。
ここで、期首・期中に間違いがないかを確認します。

間違いがないことを確認しましたら、いよいよ決算に入ります。
決算では、「決算整理仕訳」というものを行います。
決算整理仕訳は、

当期の損益を確定するための仕訳

になります。

会計期間は通常1年間です。そして、会社は、会計期間ごとに決算を行います。
決算では、B/S・P/Lを作成します。

ここで、B/SとP/Lの定義を確認してみましょう。

・B/S
資産・負債・資本を表示する報告書で、
会計期間の末日の財政状態を把握するもの

・P/L
収益から費用を差し引いた金額を利益として表示する報告書で、
会計期間(通常1年)の経営成績を把握するもの

つまり、

「B/S=財政状態」
「P/L=経営成績」

を表すものになります。
この財政状態と経営成績を表すためには、
その会計期間分のものだけを抽出する必要があります。

この、会計期間分のものだけを抽出する作業が決算であり、
このために行う仕訳のことを「決算整理仕訳」と呼びます。

決算整理仕訳を行うことで、当期の損益が確定します。
そして、当期の損益にならなかったものは、B/Sに計上され、翌期に繰り越されます。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^
・決算整理とは

その会計期間分のものだけを抽出するために行う修正作業

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

決算までは、何も考えずに仕訳をすればOKです。
そして、決算でまとめて修正を行いましょう。

決算整理仕訳が、簿記のキモになります。
次回から、1つずつ決算整理を確認していきますね。

ここからが本番です!

2.おわりに

今回は「決算整理の概要」について見ていきましたが、いかがでしたでしょうか。
決算整理こそ、簿記の核心と言っても過言ではありません。
ここまで順調でも、ここで挫折してしまう方も多くいます。
乗り遅れないようにして下さいね!

 

2013年10月03日(木)|日商3級の内容及び解説

サイト内検索はこちらからどうぞ

カテゴリー

  • コラム
  • ブログのコンセプト
  • 仕訳問題
  • 仮勘定
  • 会計や税務のお話
  • 掛取引とは
  • 日商3級の内容及び解説
  • 税理士試験
  • 簿記と会計学
  • 簿記の基礎の基礎
  • 簿記テクニック
  • 簿記検定の概要
  • 自己紹介
  • 負債関係
  • 費用
  • 資産関係

タグ

一部現金取引 簿記 一部現金取引 日商3級 修正仕訳 簿記 修正仕訳 日商3級 債券の売却 簿記 債券の売却 日商3級 先入先出法 簿記 先入先出法 日商3級 商品 決算整理 仕訳 商品 決算整理 簿記 商品 決算整理 日商3級 固定資産 簿記 固定資産 日商3級 売上原価 決算整理 簿記 売上原価 決算整理 日商3級 売買目的有価証券 簿記 売買目的有価証券 日商3級 小口現金 仕訳 引出金 決算整理 簿記 引出金 決算整理 日商3級 日商簿記 概要 日商簿記検定 概要 日商簿記検定 試験科目 日商3級 合格 有価証券の売却 簿記 有価証券の売却 日商3級 移動平均法 簿記 移動平均法 日商3級 税理士 会計士 税理士 会計士 どちらが上か 税理士試験 公認会計士試験 税理士試験 短期合格 簿記 仕訳 簿記 仕訳 やり方 簿記 仕訳 簡単 簿記 会計学 簿記 勉強の仕方 簿記 概要 簿記とは 簿記と会計学 簿記検定 合格 簿記検定 解説 簿記3級 決算整理 5伝票制 簿記 5伝票制 日商3級

アーカイブ

  • 2015年3月 (1)
  • 2014年12月 (1)
  • 2014年11月 (1)
  • 2014年8月 (1)
  • 2014年1月 (5)
  • 2013年12月 (10)
  • 2013年11月 (10)
  • 2013年10月 (9)
  • 2013年9月 (5)
  • 2013年8月 (8)
  • 2013年7月 (10)
  • 2013年6月 (12)
  • 2013年5月 (14)
  • 2013年4月 (14)
  • 2013年3月 (20)
  • 2013年2月 (7)

最近の投稿

  • 税理士試験官報合格者の特徴は理論暗記にあった?
  • 平成26年度(第64回)税理士試験の結果について思うこと
  • 税理士試験の結果発表が近づいてきました
  • 平成26年度税理士試験が終わって
  • 【仕訳問題】貸倒引当金の決算整理

メタ情報

  • 登録
  • ログイン
  1. 簿記検定に合格して会計人になろう
  2. 簿記3級 決算整理の記事一覧

簿記検定に合格して会計人になろう

元簿記講師の税理士KENが伝える簿記の学習メソッドや簿記活用術
  • 日商3級の内容及び解説
  • 仕訳問題
  • 税理士試験
  • サイトマップ

アーカイブ

  • 2015年3月
  • 2014年12月
  • 2014年11月
  • 2014年8月
  • 2014年1月
  • 2013年12月
  • 2013年11月
  • 2013年10月
  • 2013年9月
  • 2013年8月
  • 2013年7月
  • 2013年6月
  • 2013年5月
  • 2013年4月
  • 2013年3月
  • 2013年2月

メタ情報

  • 登録
  • ログイン
  • 投稿の RSS
  • コメントの RSS
  • WordPress.org

最近の投稿

  • 税理士試験官報合格者の特徴は理論暗記にあった?
  • 平成26年度(第64回)税理士試験の結果について思うこと
  • 税理士試験の結果発表が近づいてきました
  • 平成26年度税理士試験が終わって
  • 【仕訳問題】貸倒引当金の決算整理

経理実務でお悩みの場合はコチラ
勘定科目大百科


アンチエイジング興味あり

Copyright ©2023 簿記検定に合格して会計人になろう All Rights Reserved.

[↑]このページの先頭へ